新元号が「令和」に決まり、新しい時代への期待感も高まってきました。
そして、新生活がはじまる春です。明るく前向きに過ごしたい!という気持ちとは裏腹に、なぜか気分が沈みがち、疲れを感じる、やる気が出ない…。この季節特有の心身の不調「春バテ」は、寒暖差が激しいことや生活環境の変化によるストレスが原因といわれています。
今回は、自律神経の乱れをおだやかに整えてくれる、春におすすめのハーブをご紹介します。

イライラや感情の起伏が激しいときには、「セントジョーンズワート」

フィトテラピー(植物療法)が盛んな海外では、医師がハーブを処方することも多いそうです。セントジョーンズワートは、「天然の抗うつ剤」といわれる世界的にも有名なハーブ。豊富に含まれるフラボノイドやルチン、ヒペリシンといった抗酸化成分の相乗効果で、脳の神経伝達物質のバランスを整えてくれることが証明されています。
冷静になれない、感情的になってしまうときの特効薬といわれ、アメリカでは男女ともにビジネスマンがよくとっているといわれるハーブ。サプリやチンキ、ハーブティーで摂取します。更年期のイライラや、怒りを感じやすいときの症状緩和にも有効です。

気分が落ち込んだときには、幸福感を呼び起こしてくれる「ネロリ」

ビターオレンジの花から抽出される高価な精油。あたたかみのある華やかな香りには、リナロールや酢酸リナリル、ネロールといった成分が含まれ、鼻腔の粘膜から吸収され、脳の視床下部にはたらきかけます。
心を穏やかにし、静かな幸福感で満たしてくれるので、気分が落ち込みがちなときにぴったりです。ベースオイルに垂らしてマッサージしたり、アロマポットで香りを楽しみましょう。

不安を和らげてリラックスしたいときには、「メリッサ」

レモンのような爽やかな香りが特徴で、心を明るくする作用があるといわれるメリッサ(レモンバーム)。シトロネロールやゲラニオール、リナロールといった芳香成分が、緊張やストレス、精神的なショックを和らげてくれます。
精油でやさしくマッサージしたり、ハーブティーでとり入れるのが、おすすめです。

自然界が生命力にあふれる春。私たちも、「春バテ」の不調を整えて、健やかに前向きな気持ちで過ごしたいですね。

参考文献
森田敦子『自然ぐすり』ワニブックス 2016