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 わが家のの名はキュー(写真、雌、14歳)といいます。昨年4月、車で1時間半ばかりの主人の実家から義母と一緒にやって来ました。一人暮らしだった高齢の義母が心配になり、同居することになったのですが、はたしてキューが居着くか、心配でした。

 義父母から猫を飼いたいという話を聞いたのは15年前のことです。私の妹から近所に生まれたばかりの猫がいると聞き、わが家で2、3日ならした後、連れていったのがキューです。

 かつてわが家でハチという猫を飼っていたため、「次はキュー」ということでつけた名前です。義父が他界した後、11年も義母と一緒に暮らしてきました。

 実家にいたころのキューは、周りが公園や畑で、車が通る道路は長い石段の下とあって、安全で快適なフィールドの中を跳び回ったり、木登りをしたりしてのびのびと過ごしていました。

 そんな環境から来たせいか、家の中に入れると、姿勢を低くして恐る恐る歩いてベッドの下に潜り込んでしまいました。猫にとって引っ越しは大きなストレスといわれています。毛もだいぶ抜けました。

 でも、義母とは一緒ですし、私たち夫婦もちょくちょく実家に行っていたのでキューとは顔なじみです。当初はリードを付けて庭に連れ出しても車の音におびえ、サンデッキの下に潜り込んでいましたが、義母が庭にいるのがわかると外に出たがるようになりました。

 今はリードなしで義母の散歩の相手になっています。

そして、近所の猫を追いかけるなど、本来の姿を取り戻しています。

 とはいえ、人間年齢では80歳前後。95歳の義母に次ぐ高齢なのです。この冬はキューの寝床に湯たんぽを入れてやりました。普段は気の強そうな顔が、夜はほっこりしていました。

(伊藤美代子 群馬県前橋市/70歳/主婦)

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