寒さが厳しくなってくるとつらいのが、乾燥からくる様々なトラブルです。気づくと粉が吹くほど腕や足の皮膚が乾燥していたり、慢性的な頭皮のかゆみに悩まされていたり、さらにはパラパラとしたフケが上着の肩周りを覆ってしまう……なんてことも。
冬は大気が乾燥する季節ですが、室内の空気が乾燥していれば加湿器で湿度を上げることもできますし、肌や頭皮トラブルも、日々の手入れ方法を見直すことで症状を緩和できることも多いのです。
かゆみ、乾燥などのトラブルに見舞われている方は、ぜひ今日から早速、肌の手入れ方法を見直してみては!

肌が乾燥している人が気をつけたいポイント1/洗顔

○ポイント1/洗顔
女性の場合は、お化粧を落とすクレンジング方法から気をつけましょう。
市販されているクレンジング剤は様々なタイプのものがありますが、乾燥に悩まされている人は、クリームタイプや化粧水タイプのクレンジングがオススメです。
いざ、クレンジングに取りかかる際には、泡立てネットを活用してしっかり泡立てる……、あるいはオイルタイプであれば、やさしく顔の皮膚に塗布するようにしてメイクや汚れを洗い流すようにしましょう。

しっかり泡立ててから、洗うようにしましょう
しっかり泡立ててから、洗うようにしましょう

肌が乾燥している人が気をつけたいポイント2/入浴時と朝の洗顔

○ポイント2/入浴時と朝の洗顔
洗面台でメイクを落とす場合と、入浴時にメイクを落とす場合がありますが、肌が乾燥している人が気をつけたい点は、入浴時にシャワーを直接顔に当てるという顔の洗い方です。
実はこれ、肌の皮脂をシャワーとの水流と一緒に流してしまうことになるので、なるべく避けたほうがいいのです。
○ポイント3/朝の洗顔
肌乾燥を防ぐために、朝の洗顔にも気を配りましょう、
働いて帰宅した際は、1日屋外にいたため肌にいろいろな汚れが付着しています。そのため、洗顔フォームなどで洗い流す必要がありますが、朝の顔には皮脂がついている程度。その状態の顔の皮脂を洗い流しすぎると、かえって乾燥を招いてしまうことになります。
よって朝は、洗顔フォームなどを使わず、ぬるめのお湯で顔全体をやさしく洗い、皮脂を“ある程度”流す程度にとどめましょう。

お湯だけで皮脂を“ある程度”流す「朝の洗顔」
お湯だけで皮脂を“ある程度”流す「朝の洗顔」

皮脂を落としすぎると、逆に皮脂が多く出過ぎてしまうことに!

顔のTゾーンがテカテカする人ほど、皮脂をしっかり落とそうと過剰に洗顔しがちですが、皮膚に多少の皮脂を残しておくことが、テカテカを防御する重要なポイントでもあるのです。
私たちの肌は、皮脂が「皮脂膜」となって皮膚を守ってくれています。でも、皮脂が不足するとかえって皮脂が多く出過ぎてしまう逆効果となり、ニキビや化粧崩れを招くことに。
皮脂が不足するとかえって皮脂が多く出過ぎてしまう現象は、男性も女性も一緒。
夏の時期は肌が汗と皮脂でテカテカする、冬の肌は乾燥しがち……という人は、皮脂のコントロール方法が間違っているのかも。心あたりのある人はこの時期の過剰な洗顔は避けて、保湿するようにするとよいでしょう。
前述したように、朝の洗顔時はつまり、洗顔フォームなどを使わずお湯だけで皮脂を“ある程度”流すことが鉄則! 乾燥に悩んでいる人ほど、この「“ある程度”」がとても大切になってきます。

洗いすぎを防ぐことで、お肌のトラブルを防げます
洗いすぎを防ぐことで、お肌のトラブルを防げます

肌乾燥に悩む人は、入浴時にちょっとした心配りを

平日のお風呂はシャワーだけですか? それとも湯船に浸かる派ですか?
実は湯船に浸かる人より、シャワーだけの人のほうが、肌の乾燥が増しがちといわれています。その理由は、シャワーの水圧によって皮脂を流してしまっている可能性があるからです。
また、体の洗浄方法についても、夏のようにボディソープを使ってゴシゴシ洗うと肌はどんどん乾燥してしまうため、冬の時期は泡立てた泡で体を優しく手で洗うくらいで十分なのです。
さらに、湯船に浸かる時間ですが、寒さでこわばった筋肉をリラックスさせる目的や、冷え性改善のために体を温める目的の場合は、半身浴でゆっくり浸かるとよいでしょう。
このとき、乾燥肌の観点から湯船に浸かる時間は10分以内が望ましいと言われています(美容の観点からは、乾燥肌を防ぐために湯船に浸かる時間は5分以内が望ましいとも言われています)。
でも「5分なんて、あっという間。ゆっくりお湯に浸かりたいんだよね」という人は、入浴後のケアに注意しましょう。どんなケアかというと、バスタオルで水滴を拭き取った直後に、ホホバオイルなどのボディオイルやボディクリームなどを、気になる部分に塗布して、軽くマッサージすると◎! 体が完全に乾く前に塗布することが大切なポイントになります。

冬の時期は、泡立てた泡で体を優しく手で洗うくらいで十分
冬の時期は、泡立てた泡で体を優しく手で洗うくらいで十分

頭皮の乾燥の理由を知ろう!

冬になると、様々な頭皮トラブルが発生しますね。でも、トラブルの要因は大きく2つに分けられます。
●頭皮の乾燥の理由その1/乾燥によるトラブル
●頭皮の乾燥の理由その2/シャンプー方法によるトラブル
乾燥によってカサカサした頭皮はかゆみを招き、気がつくとポリポリ頭を掻いてしまうことに。その結果、掻くことによって湿疹になる、さらには湿疹痕がフケになって上着の肩周りに落ちてくる……ということに。頭をポリポリ掻いているのも、肩周りが白いフケが覆われているのも不潔な印象を周囲に与えるので、避けたいものですよね。
そうした人は、乾燥トラブルを防ぐために、日々のシャンプー方法を見直してみましょう。

無意識に頭をポリポリ掻いていませんか?
無意識に頭をポリポリ掻いていませんか?

頭皮の乾燥を防ぐために、今日から対策を!

●頭皮の乾燥の対策その1/シャンプー剤の見直し
冬の時期は、泡立ちのよいシャンプーや、洗浄力の強いシャンプーの使用を控えましょう。乾燥に悩んでいる人は、アミノ酸系のシャンプーなど、低刺激のシャンプーを使うほうが乾燥を防ぐ効果が期待できます。
●頭皮の乾燥の対策その2/洗い方の見直し
シャンプー剤を頭皮につける前に、お湯で「予洗い(髪や頭皮の汚れをサッと流すこと)」をしましょう。この時に髪全体と頭皮までお湯が届くようにしっかり洗い流します。そのひと手間で、シャンプー剤を使い過ぎずに洗浄することができるので、皮脂の流しすぎを防ぐことができます。そして、シャンプー時には爪を立てたり、指に力を入れてゴシゴシ強く洗わないようにしましょう。
●頭皮の乾燥の対策その3/頭皮用美容液を活用する
シャンプー後は頭皮&髪全体をタオルドライしましょう。タオルドライが済んだら、頭皮用美容液や育毛剤などで頭皮のケアを忘れずに! 健やかな髪を育てるには、健やかな頭皮環境を作ってあげることがとても大切です。
●頭皮の乾燥の対策その4/髪の乾かし方にも工夫を
頭皮用美容液や育毛剤などで皮膚のケアが済んだら、できるだけすぐにドライヤーで髪を乾かしましょう。タオルで巻いたままの状態でしばらく過ごしたり、濡れたまま眠ってしまうのはかゆみの原因になるので厳禁です。

最近はたくさんの頭皮用美容液が出ていますね
最近はたくさんの頭皮用美容液が出ていますね

入浴後の髪の乾かし方、間違っていませんか?

●タオルドライ後のドライヤーは、頭皮から!
髪の乾かし方は、髪に含んだ水分をしっかりタオルで吸収したら、最初に頭皮を乾かすようにドライヤーをかけていきましょう。頭皮からドライヤーをかけると髪にも自然と熱風がかかるので、髪も徐々に乾いていきます。
そして次は、湿っている毛先を最後に乾かすようにしましょう。髪の長い人ほど濡れた毛先にドライヤーをかけたくなりますが、毛先はダメージを受けている個所なので、乾きやすい特性があります。そのため、「頭皮→毛先」の正しい順序ではなく、「毛先→頭皮」の順に乾かしてしまうと、毛先は必要以上に乾燥してしまうことになり、髪のスタイリングもしにくくなってしまうことに。
最後のポイントとして、髪全体にドライヤーをかけたら、仕上げとして冷風をかけて熱を冷まして上げるとよいでしょう。
── 実は、乾燥トラブルが取り上げられるようになったのは最近のこと。その背景には「洗いすぎ」が原因にあると言われています。人間には自己防衛といえるも肌を守るための皮脂が備わっています。でも、皮脂を取り過ぎてしまうことで、自然と肌が乾燥状態に陥ってしまうことになります。
よって、自己防衛力をもった大切な皮脂をある程度を残すように心がけ、さらに潤いが足りない部分に、オイルやクリームで補うようにしていくことが乾燥、かゆみを防ぐ効果を高めます。
気になる人は今夜から、洗浄方法やお手入れ方法を見直してみては。

「頭皮→毛先」の順でドライヤーを!
「頭皮→毛先」の順でドライヤーを!