赤、白、黄色、オレンジ、ピンク、紫、人間たちが暑さにバテている昼間に、この美しい花は嬉嬉として咲き誇ります。この元気の秘密は…それもそのはず、原産はメキシコやブラジルの暑い国、日本へは江戸末期にオランダ船に乗ってやってきました。この花は、太陽が大好きで照り返しの強い場所でよく育ちます。雨の日はお休みし、晴れた日だけの1日花で日が傾くとさっさと花びらを閉じてしまいます。まるで太陽の国からやってきた子供たちが1日だけこの地球上で元気に遊んで、夕日とともに帰っていくような「マツバボタン」の花物語。
本日はこの「マツバボタン」の仲間たちの魅力にせまります。

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「マツバボタン」と「ポーチュラカ」は違うの?

マツバボタン同様、真夏に元気でカラフルな花をポンポンと咲かせる仲間に「ポーチュラカ」があります。身近な花屋でもよく見かけるのでは?
マツバボタンはナデシコ目スベリヒユ科スベリヒユ属で学名〈ポーチュラカ・グランディフローラ〉。葉が細くて松葉に似ていて花は美しく牡丹のようにふくよかであることからその名が付きました。
一方、ポーチュラカは和名でハナスベリヒユと呼ばれ、ナデシコ目スベリヒユ科スベリヒユ属で学名は〈ポーチュラカ・オラレシア〉です。ポーチュラカは、ドイツで品種改良された品種で、シャモジ形で多肉質の葉と茎をもち、地表を覆うように育ちます。畑地の雑草に、黄色のごく小さな花をつけるスベリヒユという仲間もいます。
よくみると形はそれぞれ美しく、生命力にあふれていますね。いずれも多肉質の葉に水分をためているためにとても乾燥に強い植物です。

マツバボタン
マツバボタン

動く雄しべが不思議!?「マツバボタン」

マツバボタンの雄しべに指先でそっとさわると、雄しべがもぞもぞと動くってご存知でしたか?これは、虫と勘違いして、受粉のため花粉をその脚や体につきやすくしたり、めしべにふれようとするためといわれます。指でつついて観察をすることができますよ!
このようにして、種子をつくり種がこぼれて毎年増えるので、ホロビンゾウともいわれます。午後なるべく長く開花して花が閉じる時間を少しでも長くと改良されたものもあります。
花言葉は、「無邪気」「可憐」。

八重のマツバボタン
八重のマツバボタン

花を手軽に楽しめると愛好家が多い!「ポーチュラカ」

学名「Portulaca(ポーチュラカ)」は、ラテン語で入口を意味する「porta(ポータ)」を語源とし、実が熟すと蓋が取れて、口が開くようすに由来するといわれます。 「luca」は乳を表し茎葉を茹でた際に出るぬめりに由来するといわれます。
植えつけ適期は5月から8月です。秋になると成長が遅くなるので、8月までに植えて、暑い時期に大きく育てましょう。なお、植えつけ時に、根鉢をくずす必要はありません。また、7月から9月の間に肥料を施しても成長がよくない場合は、根詰まりしている可能性が高いので、一回り大きな鉢に植え替え(鉢増し)ます。
挿し木で増やすことも可能です。適期は5月から10月です。茎を5~10cmほどで切り取り、植えつけと同じ用土にさしておけば、容易に発根して苗になります。切り取った茎を水にさしておくだけでも根が出るので、発根を確認してから土に植えつけてもよいでしょう。なお、秋に、場所をとらないように小苗をつくり、室内に取り込んで冬越しさせることもできます。
花言葉は「いつも元気」。

ポーチュラカ
ポーチュラカ

8月も後半、立秋も過ぎ、そろそろ秋の足音が聞こえてきそうな朝夕です。終わりゆく夏を名残おしみ、もう少し楽しんでおくのも良いですね。
「マツバボタン」や「ポーチュラカ」のように、日中頑張り夕日と共に帰っていき、あとはフリーの時間という楽しみ方もいいかもしれません。お盆も明けたばかり、疲れがでませんように夏バテ注意で乗り切りましょう!

黄色のマツバボタン
黄色のマツバボタン