著者は女子労働漫画の研究者でありつつ、パンケーキや「ネオ日本食」のマニアという助教兼ライターだ。

 個性的な服(圏外ファッション)に生きる道を見いだし、普通のコンサバ服(圏内ファッション)選びは敬遠してきた「オシャレ迷子」が一念発起し、新たな服探しの中で「肉が垂れるアラフォーこそ浅いVネックで鎖骨見せ!」や、「大人でも似合うワンピはAラインではなくHライン」など実用的法則を見つける。筆致はユーモラスだが、説得力があるのは「自分」について考え抜いているから。自分の弱点を意識しすぎるあまり「自分内ルール」に閉じこもるのはよくない。他者(例えば店員)に少し心を開くだけでも違う風景が見えてくる……これ、なるほど感100%! 「地べたをはって考えるオシャレ本」とでもいうべき?

週刊朝日  2018年7月13日号