他の乳がん患者の方とやり取りをしていて思ったのは、普通に過ごしていることを一緒に楽しんだり共有したりすることがモチベーションになったり、乗り越えていくきっかけになったりする。病気っていうことを知りつつも普通にサポートしてくれるほうが過ごしやすいというか。お互いが壁を作らずにできることなのかなって思いましたね。
――最近だと、南果歩さんも乳がんの治療についてお話されています。
そうですね。南果歩さんは治療を止められたんですよね。人に合う、合わないもあると思うし、色んな治し方があって、自分にしか分からないと思う。
今回病気になって、周りに大きな病気をされている方がいたり、大変な中で生活されている方が多いんだなって感じました。芸能人の方って病気を公表して、それをニュースにすることもできる。そんな中で、「私が休んでいてもダメだ」っていう気持ちもありました。休めるのも大事だけれど、私は働くことが好きで、手術をした後も「お仕事したいな」って思っていました。今日もラジオをさせていただいたり、感謝しなきゃなって思っています。
■「結婚、出産も20代でするんだろうなと思っていた」
――乳がん完治の目安は10年と言われていて、他のがんよりちょっと長く見ていく必要があります。
10年後を見て、「これはきっとできないんだろうな」ってマイナスに思うんじゃなくて、「何かが待ってる」っていうのを楽しみにいかなきゃなぁと思っています。
結婚、出産も本当は20代でするんだろうな、してみたいなって思っていました。でも、今はできないなって感じています。なので、その前に今やっているお仕事とか、優先してできることもあるのかなって思ったので、10年の間に楽しんでいこうって思っています。
――お仕事にも意欲的。矢方さん、絵も上手なんですよね。
絵を描くのもすごく好きですね。最近はあんまり描けていなかったけれど、時間ができたら描こうかなって思っています。今は表現できる場所がたくさんあるので、絵でも気持ちの変化を伝えられるのかなって思っています。私にしかできない、私だから言えるようなことも描けるのかな。私は全部を明るく変えたいんです。周りが悲しい空気なのが嫌なので、絵もいつか仕事にもできたらいいなって最近思っています。