心地好い風や陽射しを感じる日が多くなってきたのに、なんとなく気分が上がらない……、さらには新年度のスタートとともに、慣れない環境や周囲に気を使うことが多くなったせいか疲れが取れない……という方もいらっしゃることでしょう。
季節の変わり目に不調を感じた時、見直してほしいのが呼吸です。パソコンやスマホ操作の影響か、現代人は背になることで、浅い呼吸しかできていない人が多いのです。それが不調の遠因になることもありますので、この機会に呼吸を見直して、良質の酸素をたっぷり体内に取り込みましょう!

当たり前の呼吸。だからこそ、疲れた時に呼吸法を見直そう

呼吸は本来、自分の意思とは違うところで自然と行っているもの。そのため、意外と日常の中で呼吸を意識したり、注目することは少ないと思います。
誰しも経験があると思いますが、緊張状態に陥った時に心臓がドキドキしますよね。その時、体には「緊張」という過度なストレスがかかっていることから、呼吸も自然と浅く・早くなってしまっているのです。
そのほかにも、姿勢によっても呼吸は変わります。呼吸が浅く、しっかり酸素を取り込めていないと、
■イライラすることが多くなる
■睡眠が浅くなってしまう
■肩こりや筋肉の不調を感じることが多くなる
■胃腸の調子が悪いと感じることが多くなる
といった具合に、浅い呼吸ゆえに体に様々な悪影響がおよぶことも……。

現代人は、様々な要因が積み重なって呼吸が浅い!

とはいえ私たちは日常的に「時間があるとスマホを見てしまう」「仕事柄、パソコンを使う時間が長い」「家にいるとき、なんとなくパソコンに向かっている」……、さらには「運動不足」といった要因が重なりあうことで、自然と「首を前に倒しがち」「猫背気味の姿勢が長時間続く」「筋肉を動かない姿勢の時間が長い」といった、体にとってマイナス状態をキープしてしまっているのです。
要は「首を前に倒しがち」「猫背気味の姿勢が長時間続く」と、肺の可動域が制限されるため自然と呼吸が浅くなってしまうことになるのです。

スマホを見る時は、目線が下がって首が前に倒れがち……
スマホを見る時は、目線が下がって首が前に倒れがち……

呼吸ストレッチ法を、順序よくマスターしよう!

「呼吸が浅いかも!?」と感じたら、まずは深呼吸ができるような体勢をとることが大切です。
でも、ただ単に背中をまっすぐに伸ばせばいいというわけではなく、長い習慣によって呼吸がしづらい筋肉・体勢になってしまっている方も多いのです。
そうした方は、首まわり、腕のけ根、肩まわり、腕のつけ根、背中を重点的に順序よくほぐしていきましょう。このストレッチをしっかりすると、肩甲骨まわり、腕も同時にほぐれるので◎です!
■ストレッチ1/まずは、首まわりから!
1. 左手の指で、右の鎖骨上あたりを軽く押さえる
2. 息を吐きながら、首をゆっくり気持ちいい程度に左に傾ける
3. 1・2の逆で、右手で左の鎖骨上あたりを軽く押さえて、息を吐きながら首を右にゆっくり傾ける
■ストレッチ2/次は、座った状態で腕のつけ根、肩まわりを!
1、 左手の手のひらを、右足の太ももにあてる
2、 1の状態で、右手を肩の位置まで持ち上げる
3、 2の体勢をキープしながら(左手で右ふとももを軽く押すようにして)、体を左に倒していく
4、1・2・3の動作を逆側でも同じように行う

鎖骨上あたりを軽く押さえ、息を吐きながら手と反対側に首を傾けましょう
鎖骨上あたりを軽く押さえ、息を吐きながら手と反対側に首を傾けましょう

背中を丸めるストレッチと、胸を開くストレッチにトライ!

首まわり、腕のつけ根、肩まわりのストレッチが済んだら、次は背中、肩甲骨まわり、腕をほぐしていきましょう。
■ストレッチ3/背中を丸めることで、肩甲骨まわりをほぐしていきましょう
1、 両腕を前に出して、指を交差させます(画像参照)
2、 息を吐きながら指を交差させた状態の手を平を押し出すようにしてて、ゆっくり伸びるように背中を丸めて(のけぞらして)いきます
3、 息を吸いながら、ゆっくり元の姿勢にもどします
■ストレッチ3/次は胸を開いて、上腕をほぐしていきましょう
1、 腕を後ろにまわして、指を交差させながら両手をつなぎます(画像参照)
2、息を吐きながら手を後方に押し出すイメージで、ゆっくり胸を伸ばします
3、 息を吸いながら、ゆっくり元の姿勢にもどします
※どちらも息をゆっくり吐きながら、無理せず行いましょう