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 私の家は農家で、稲モミを土間に積んでいたが、いつの間にかネズミがすみつき、大変なことになった。

 子をもらう手はずを整え、ネズミ捕り用の強力粘着シートも仕掛けた。

 子猫が来る前に粘着シートを片付けたつもりだったが、一つ忘れていて、それに子猫がかかってしまった。必死でお湯に浸したタオルで拭いたが、粘着力が強くてとれない。身動きできず鳴いている子猫が可哀想でつらく、不注意を反省した。

 病院に1日入院させ迎えにいったら、あれだけべったり張り付いていた毛がふんわりとなり元の毛並みに戻っていた。三毛猫だったが、トラ模様にも見えたので名前はトラ(写真)とした。その後は順調に育ち、家族になって10年になる。人懐こくおとなしいので、みんなの人気者である。ただ、抱っこは苦手だ。

 トラは畑にもついてくる。好きに遊んでいるが、「家に帰るぞ」と呼ぶと、どこからともなく出て来て、先になり後になりして帰るのが楽しかった。

 しばらくは周辺で猫を飼っている家もなく、トラも自由気ままに暮らしていたが、近くの家に強い雄のトラ猫が来てから様子がガラリと変わった。この猫とは相性が悪いらしく、ケンカばかりで困ってしまう。

 追われたり噛み付かれたりが続くので、相手の家と申し合わせをして、うちのトラは昼間、相手の猫は夜間に外出させることに。だが、なかなか思いどおりにはいかず、トラはいつも追われているので木登りだけは上手になった。少し離れた家で赤トラの雄猫を飼い始めた。そこの猫は犬のようにヒモでつながれ、家の中で暮らす。放してもらっても外には出ず、家の中がいいようだ。

 いずれにせよ、猫たちがみんな仲良く元気で遊んでくれることを願っている。

(野池軍次さん 長野県/80歳/無職)

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