つまり、2016年時点で25歳の人たちが定年を迎える40年後(65歳定年が実現していればの話ですが)には、総人口が1億人を大きく割り込む時代が来るということです。
また平均初婚年齢も
1970年 男性26.9歳、女性24.2歳
2011年 男性30.7歳、女性29歳
そして、予想では
2020年 32.3歳、女性30.7歳 ……と今後も高くなっていくと予想されています。
さらに、生涯未婚率も上昇傾向をたどっています。国立社会保障・人口問題研究所の「人口統計資料集」によると、
生涯未婚率は
1970年 男性が1.70%、女性が3.34%
2010年 男性が20.14%、女性が10.61%
となっており、2015年版の「厚生労働白書」によると、生涯未婚率は2035年に男性が29.0%、女性が19.2%まで上昇すると推測されています。つまり、男性はほぼ3人に1人が結婚経験なしという状況になるのです。
今の婚姻制度では、基本的に結婚しないと子供は出来ないはずですから、未婚率の上昇は、それだけで子供が減る原因になります。 さて、このようにして子供の数が減ると、どうなるでしょうか。ご推察の通り、老人の人口比率が上がっていきます。
●少子高齢化の意味するもの
稼いでくれる子どもが少なく、高齢者の比率が高まれば、それだけ社会保障費がかさむことになります。
社会保障費とは「医療」、「年金」、「福祉」、「介護」、「生活保護」などの公的サービスのことをいいます。そして、これらの財源は主に税金であり、社会保障費の多くを現役世代が負担しますから、現役世代はいくら働いても可処分所得が増えず、消費に回せるお金が少なくなり、経済の活力が衰えます。
どの数値を取っても、人口減少と超高齢社会の到来によって、日本という国の経済力は後退せざるを得ない状況なのです。
出生率を上げることも、移民の受け入れも困難となれば、あとはもう人口減少を甘受せざるを得ません。つまり働き方にしても、資産形成にしても、これからの日本は人口が徐々に減っていくことを前提にして、戦略を練ることが必要になるのです。