先日ちらっと目にしたバラエティー番組の、これはタネ本だろうか。五百田達成『不機嫌な長男・長女 無責任な末っ子たち』。

 本書はまず、人を4タイプ(きょうだい型)に分類する。きょうだいの一番上の子である「長子」。きょうだいの一番下の子である「末子」。3人以上のきょうだいの長子と末子に挟まれた「中間子」。きょうだいがいない「一人っ子」。ここでは男女は問わないので、長男長女でも上に兄や姉がいれば末子か中間子になる。

 血液型じゃあるまいしと思いつつ読みはじめたのだが、けっこう当たっている気もしてきた。

 親の期待が高く「下の子の面倒を見てね」といわれて育った長子は、責任感が強く面倒見がいいが人に任せられない性分のため、お節介になりがち。家庭内のアイドルだった末子は、サービス精神と社交性に長けている半面、責任感は薄く「誰かが何とかしてくれる」と思っている。下の子にアイドルの座を奪われた中間子は、上にも下にも気を遣うバランス感覚を持つ一方「私だけ割を食っている」という意識から目立ちたがりになりやすい。親の愛を一身に受けて育った一人っ子は、マイペースで素直だが、人づきあいは下手。

 そんなわけで〈長子は、やるべきことをやる/末子は、やれそうなことをやる/中間子は、みんながやらないことをやる/一人っ子は、やりたいことだけやる〉
 ちなみに私は長子だが、いわれてみればそうかもね。友人も長子ばかりで〈長子にとって、もっとも相性がいいのは同じ長子〉という指摘もあてはまる。

 夫婦ゲンカの際の態度もちょっと象徴的である。〈長子は、すぐケンカする/末子は、うやむやにする/中間子は、よく話し合う/一人っ子は、すぐ家出する〉

 でもさ、生まれた順ってそんなに大事?と思ったら〈きょうだい型の話をしても、いまひとつピンとこない様子も、長子の特徴です〉。下の子は兄姉の言動を注視して育つが、長子は弟妹に無頓着でデリカシーがない、と(苦笑)。ちなみに著者は末子だそうだ。

週刊朝日  2017年6月30日号