体重7キロ。膝に乗られると、ちょっと苦しいうちの甘えん坊「どん」(写真手前、雄)は、動物病院で供血猫として働いていた。
供血猫とは輸血が必要な猫たちに血を提供する猫のこと。引退するまで、その血でいったい何匹の命を救ってきたのだろうか。
私が在学している大学の付属動物病院で、彼は飼われていた。この巨体に特徴的な顔。初めて会った時からかわいくてたまらなかった。里親を募集していると聞き、すぐにでも引き取りたかったが、先住猫との相性が心配だった。実は、どんは一度、別の家に引き取られたのだが、そこの先住猫と相性が合わず、病院に戻ってきていたのだ。
だがそんな心配は杞憂だった。うちの先住猫「ちー」(同奥、7歳、雌)はあっさりどんを受け入れ、どんもまた、ちーにベタベタに甘えている。驚くほど簡単に2匹は仲良くなり、常に一緒に遊び、一緒に寝ている。まるで最初から家族だったかのように。
どんは生まれも育ちも病院で、ケージで飼われ、上下運動をしてこなかったせいか、引き取った当初はベッドにすら上れなかった。それが今ではキャットタワーの最上段で昼寝をし、夜は私とベッドで寝る。
猫らしく生活してくれるのは嬉しいが、中型犬くらいの大きさのどんが激しい運動をしていると、キャットタワーが壊れはしないかと心配になってしまう。
どんはもう14歳と若くはなく、慢性腎臓病も患う。毎日4種類のお薬を飲み、2日に1回は水分補給の点滴をするが、それでもたまに具合が悪くなってしまう。
飼い主としてはできるだけ長生きしてほしいが、今までずっと頑張ってきたのだ。これ以上頑張ってとは言わないから、せめてゆっくりとした余生を、思う存分満喫してほしい。
(浅沼まりなさん 青森県/23歳/大学生)
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