大口径ライカ名第2弾は広角ズーム
ライカ名を冠したDG VARIO-ELMARITシリーズとしては今年2月に12~60ミリの標準ズームがすでに発売されており、それに続く第2弾となる、マイクロフォーサーズ用の超広角ズームだ。同シリーズは50~200ミリの望遠ズームを開発中であることが公表されており、登場すれば超広角、標準、望遠の各ズームがすべて開放F2.8~4.0でそろうことになる。
12~60ミリもそうだったが、このDG VARIO-ELMARITシリーズは外観が非常に高品位なのが目を引く。金属を多用した鏡胴が採用されており、パナソニック製とはいえ「さすがはライカ名」と素直に思える高級感がある。着脱ボタンを備えたメカニカルロック式の花形フードの採用など、付属品の品質にもちゃんと気が配られているのもうれしい。本家ライカカメラ社製の何十万円もするライカSL用レンズのフードがプラスチックの弾性を利用した簡易ロック式なのを考えると望外の仕様で、本家以上にライカらしいといえる。
小型でかつ細身な鏡胴は約315グラムと軽量で、マイクロフォーサーズ最大の美点である機動力がしっかりと確保されているうえ、防塵・防滴で耐低温のタフネス仕様なのも高評価である。最近は広角ズームレンズでも手ブレ補正機構が搭載されているが、こちらは非搭載。最近の同社のカメラはボディー内手ブレ補正搭載機が多いので問題は少ないだろう。
実際に使ってみると、外観だけではなく写りのほうもライカの名に恥じないもの。最新設計らしいコントラストの高さや、合焦部分の解像感の確かさ、そして逆光耐性まで、描写関係で気になる部分はまったくなく、ヌケのいいメリハリのある描写を楽しめる。
マイクロフォーサーズ用の超広角ズームは同社のLUMIX G VARIO 7-14mm/F4.0 ASPH.やオリンパスのM.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PROがあるが、どちらも前玉が大きく飛び出しており、直接フィルターを取り付けられないのが不便だった。しかし、この8~18ミリはφ67ミリのフィルターに対応しており、PLやNDフィルターを気軽に使用できるのも大きなメリット。外観品位、写りのよさ、そして利便性と、三拍子そろった非常に物欲をそそるレンズである。
◆河田一規
●焦点距離・F値:8~18ミリ・F2.8~4.0●レンズ構成:10群15枚(非球面レンズEDガラス1枚、非球面レンズ3枚、EDガラス2枚、UHRガラス1枚)●画角:107~62°●最短撮影距離:0.23メートル●最大撮影倍率:0.12倍●フィルター径:φ67ミリ●大きさ・重さ:φ73.4×約88ミリ・約315グラム●価格:税別15万8000円●URL:http://panasonic.jp/