明るくて人付き合いのいい妻のサポートも見逃せない。

「困ったことや、でかいトラブルが起きても動じない。肝っ玉は俺より大きいんじゃないかな。ほんと頭が上がらないですよ」

 と大和さんは照れ笑いした。

 昨年9月には、9年ぶりに芸能活動に復帰し、演劇と女子プロレスを融合させたエンターテインメントを目指す「アクトレスガールズ」主催の舞台『カウント2・9』に出演した。

 アイドルを目指して上京したものの、所属事務所の都合で女子プロレスラーに路線変更した女の子の物語。大和さんは、ヒロインの父親でシングルファザーの居酒屋店主役だった。

「舞台は初めての経験でした。映画とかVシネと違って、ミスってもやり直しができないじゃないですか。だから30ちょいあるセリフのパートをトチらないように、公演の1週間前から店を閉めて、一生懸命稽古に取り組みました」

 ここでも家族が助けてくれた。

「娘が、学校へ行く前と帰宅後の朝晩、セリフ合わせに付き合ってくれたんです。でなきゃ、全部覚えられなかったんじゃないかな」

 昼・夜の2回公演。いずれも満席に近く客席が埋まり、大和さんお目当ての観客も少なくなかった。

アクトレスガールズの舞台「カウント2・9」に出演した大和さん。都内新木場・ファーストリングにて、22年9月18日撮影
アクトレスガールズの舞台「カウント2・9」に出演した大和さん。都内新木場・ファーストリングにて、22年9月18日撮影

 終演後、アクトレスガールズの坂口敬二代表に感想を聞くと、

「不器用で実直な父親役。思っていた以上に良い芝居をしてくれました」

 と言って目を細めた。

「元々、力のある俳優なんですから、『そろそろ復帰してもいいんじゃないか』と思ってオファーを出しました。これをきっかけに、映像作品にも出演できれば、ウチの団体としてもうれしいです」

 もう一つ、10月に思わぬ出会いがあった。

「俺、35年ほど前に最初の結婚をして、1年ちょいで離婚してるんです。生後8カ月の娘を残してね。そしたら9月末にいきなり、その子から店に『母とお邪魔してもいいですか?』って電話があって、本当に来てくれたんですよ」

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最後のに会ったのは5歳のとき。それが今は…