平和記念資料館の記憶は鮮明で、被爆によって皮膚がたれているなどの被害の様子の展示を見て、「はだしのゲン」を読み込んでいた私には“現実はこんな感じだったんだ……”という感じでした。

 平和記念資料館で見たものは、小学生の私には、「怖い」という気持ちもありましたが、シンプルに「絶対、嫌だ、こんなこと」と、率直に思いました。

「戦争が起きませんように」と祈る

 子どものときから、戦争もそうですが自然災害などで、一気にたくさんの人が亡くなることに恐怖心がある。日本に向けてミサイルが発射されたとかいうニュースを聞くのも怖い。戦争やミサイル、大地震などのニュースを聞いただけで、子どもの頃はひとりで眠れなくて、お母さんたちの部屋で一緒に寝させてもらっていました。

 毎日ではないけど、眠る前に「戦争が起きませんように。大きな地震が起きませんように」と祈ってから寝ていた。

 戦争のニュースを聞くのも見るのも怖いのは、いまでも変わらない。ウクライナ侵攻は、私がリアルタイムで戦争が始まったのを見たのが初めてなので、ニュース映像でも怖くて見ることができないのが正直な気持ち。SNSとかでもウクライナ侵攻のことを発信している方もたくさんいますが、向き合って考えなきゃいけないとはわかってはいても、そういうものからも目を背けてしまう。

戦争の「なんで?」に答えられなかった

 家ではテレビをつけていないので、息子もいま起きている戦争のニュース映像は見たことはないんですね。でも、学校で戦争の話を聞いたみたいで。「ファイト(戦い)があったんでしょ?」みたいな話をしてきました。

 それで、息子は、シンプルな疑問がたくさんわいたみたいで「なんでファイトしちゃうの?」から始まって、私が答えても、子どもあるあるの「なんで?」「なんで?」が始まった。

 私に戦争の知識があるわけでもないので、息子から「一番最初に誰が始めたの?」って聞かれたときに、答えられなかった。それで、私は本を読んで、一緒に学んでいこうと思いました。

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