
“大物”になれた女性議員はまだいない
――自民党で出世する女性議員の“資質”とは。
女性比率を増やすために閣僚ポストに置かれることはあっても、党の意思決定に影響力を持つような“大物”になれた女性議員は、残念ながらまだいませんよね。それは個人の資質の問題ではなく、カネとコネが幅を利かせる自民党の権力闘争のシステムの問題が大きいと思います。様々な学術研究や私の経験則に照らすと、女性は男性と比べて権力欲が強くない。いかに子分を増やすかが求められる状況下では、女性リーダーは生まれにくいと思います。
――自民党が変わらなければいけないポイントはどこだと思いますか。
社会のあり方や国民の意識は急激に変わっていますが、過去の成功体験を引きずる自民党はそれに対応できていません。世襲や地元権力者の一族が極めて多く、風通しの悪い年功序列の男性社会で、民間企業ならとうに引退している70代80代の方々が意思決定の中枢にいる。これでは、国民の不安やニーズを理解し、寄り添うことは難しいでしょう。
もちろん、政治には能力も経験も必要で、単に若ければいいということではない。バランスが大事です。国民との間にあるズレに気付き、旧来型の自民党政治を根本的に脱却することが不可欠だと思います。そういう自覚と危機感を持っている若手・中堅も多いですから、今後それを実現していけるのか、正念場だと思います。
(AERA編集部・大谷百合絵)
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