
10日放送「日曜日の初耳学」(TBS系・日曜よる10時)は、圧倒的な存在感を放ち国内外の名監督がほれ込む俳優・オダギリジョーが登場!「ミニシアター系のとことん深掘りできる作品にかかわっていきたい」と語るオダギリがこれまでのキャリア、そして記憶に残る作品の秘話を打ち明ける。9月には、自身が脚本・監督・編集・出演した『THE オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ MOVIE』の公開も控えるオダギリについての過去の記事を振り返る(この記事は「AERA dot.」に2021年10月15日に掲載されたものを再編集したものです。本文中の年齢、肩書等は当時のもの)
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漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏が、「オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ」(NHK総合 10月1日22:00~)をウォッチした。
俳優オダギリジョーの脚本、演出、編集ドラマ(全3回)。予算的にも企画的にも、民放がやりたくてもやれないこの道楽、NHKの「お大尽様パワー」発動ですよ。
まぁ~何から何までフリーダムだ。一応、鑑識課警察犬係の青葉(池松壮亮)が主人公。そして相棒である警察犬のオリバー役、オダジョーことオダギリジョーである。
青葉にだけは見えるのだ、犬の着ぐるみを着た柄の悪いおっさん・オダジョーが。煙草(たばこ)をくゆらせ、金魚鉢みたいなでかいグラスで酒をあおる、ちょいワルシェパード。
そんな絵づらに目を奪われていると、てっきり渡辺哲かと思ってたベテラン飼育員役が、ミュージシャンの鈴木慶一だったり。見たことあるあるなスーパーボランティアが佐藤浩市だったり。
映画「ゴッドファーザー」を思わせる構図で、細野晴臣が橋爪功の顔にカミソリを当てていて、無駄にドキドキしたり。
物語の主軸は11年前の少女失踪事件。それを追うフリーの記者・永瀬正敏。これまたもろにかつて彼が演じていた「私立探偵 濱マイク」だ。
オダジョーの好きな人、好きなドラマ、好きな映画、好きなエロ、全部ぶっこんでグツグツ煮込んだ「俺の鍋」NHK支店のような作品。
久々にタチの悪さ満点なヤクザの若頭を演じる松重豊も、いきなりタンメンをすすり、グルメを語り出す。「あっ、これいい。俺これ好きだ」。いかにもなのほほんBGMまで完全コピー。
もうね、すきあらばテレビ東京化しようとするNHK(「勇者ヨシヒコ」シリーズの後に「伝説のお母さん」作っちゃうような)の性癖を見事にくすぐるオダジョーよ。
で、これだけのオールスターそろえて、小ネタもぶっこんで、さてどう解決するのかと思いきや、全部ぶん投げてみんなで踊り出しましたよ。