
西ヨーロッパに位置するベルギーは、周囲をフランス、ルクセンブルグ、ドイツ、オランダに囲まれている。面積は約3万㎢で、EUの主要機関が置かれている。人口は約1200万人、公用語は、オランダ語、フランス語、ドイツ語の3つである。
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現在のベルギー王室の国王は、2013年に即位したフィリップ国王(65)で、マチルド王妃(52)との間に二男二女がいる。長女エリザベ―ト王女(23)、長男ガブリエル王子(21)、次男エマニュエル王子(19)、次女エレオノール王女(17)で、次男のエマニュエル王子には発達障害(ディスレクシア)があるが、フィリップ国王夫妻は「隠すことではない」と公表している。そして「王子の最善の利益のため」として専門の教育機関に王子を転校させ、その選択と判断は国民から支持を得ている。
将来はベルギー初の女王(君主)に
そんなベルギー王室の次の君主は、エリザベ―ト王女と決まっている。ベルギーでは王位継承法は男子優先だったが、1991年に制度が改正され、男女平等の考えなどから長子(第一子)優先制になったのだ。つまり、エリザベ―ト王女が君主になれば、ベルギー初の女王ということになる。
エリザベ―ト王女は、公用語と英語の計4か国語に堪能な才女だ。首都ブリュッセルの学校でオランダ語の教育を受け、イギリス・ウエールズのアトランティック・カレッジに進学。コロナの影響を乗り越えて高等教育修了と国際バカロレア資格を取得している。その後は、父が卒業した王立陸軍士官学校で軍事訓練を受け、同級生と共に厳しい訓練を受ける様子は、テレビで放映されている。そこからさらにイギリスのオックスフォ―ド大学リンカーンカレッジに入学し、歴史と政治学を学んだ。
2024年オックスフォ―ド大学を優秀な成績で卒業すると、3年間の在籍を振り返って「イギリスに恋に落ちた」とイギリスへの親しみと感謝の気持ちを表現している。その後はアメリカのハーバード大学公共政策大学院ケネディ・スク―ルに進み、現在、公共政策の修士課程の一年目を終えたばかりだ。