撮影:馬場岳人(朝日新聞出版写真映像部)
撮影:馬場岳人(朝日新聞出版写真映像部)
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 先週に多く読まれた記事の「見逃し配信」です。ぜひ御覧ください(この記事は「AERA DIGITAL」で2025年7月16日に配信した内容の再配信です。肩書や情報などは当時のまま)。

【写真】笑顔に癒やされる! 102歳の「現役」美容部員はこちら

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「マニキュアを塗ると、自分の気持ちがピシッと整うんです」と語る102歳現役美容部員堀野智子さんに「手元の美学」を聞いてみた。長く細い指先に、控えめな色のマニキュア。華やかさではなく、丁寧さと自分らしさを大切にしてきた堀野さんにとって、爪先のおしゃれは「心の整える技法」でもあります。
 戦後、マニキュアが一般化していく時代の変化に喜び、「おしゃれを楽しめるって、なんて自由で素敵なんだろう」と感じた堀野さん。今でもお米を研ぐたびに塗り直し、「ちゃんとマニキュアまでしている自分」に満足する姿勢に、美しさとは年齢でなく「心の持ち方」で決まるのだと気づかされます。堀野さんの最新刊『102歳、今より元気に美しく』(朝日新聞出版)から一部を抜粋・加筆再編集して公開します。

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――堀野さんは、手も本当にお美しいですね。ネイルもとてもおしゃれですが、こだわりはあるのでしょうか。

 ここ何十年もマニキュアを欠かしたことがありません。

 お米を研ぐとはげるので、その都度、塗るようにしています。 

 今はもうシワがたくさんできてしまいましたが、若いころ、細くて長い指をしていたので、よく「きれいな手ね」と言われました。

 電話局に勤めていたころ、冬の休憩時間にストーブに手をかざしていたとき、いきなり同僚に手をパーン! と叩かれたことがあります。

「こんなきれいな手をして憎たらしい!」って。もちろん冗談で、ですよ。

 でも実は、自分でも爪が細長いのが気に入っていて、「私の手って意外ときれいかも?」と思っていたのでうれしかったです。
 

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