Milvus 2.8/18、2.8/15、2/135
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Milvus 2.8/18、2.8/15、2/135
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新光学系の18ミリF2.8が追加

 ツァイスとコシナの共同開発によるMilvus(ミルバス)シリーズの最新レンズである。今回発表された3本のうち、2本は現行のClassic(クラシック)からのモデルチェンジで、デジタルに最適化された改良が加えられ、デザインもミルバスシリーズになった。ミルバス2.8/18は新規設計の光学系で、Distagon T*3.5/18からのモデルチェンジだ。

 ミルバスシリーズは、デザイン面でも完全に情緒性を排したというか、精悍な作り込みで冷たい雰囲気すら漂わせている。あくまでも高品位の描写を追求するための単焦点のMFレンズで、特異な位置にあることを主張している。そのため大きさも重量もかなりのものとなっている。

 MF専用レンズなので、AFレンズをMFで使ったときのようなフォーカスリングのスカスカ感もなく、ねっとりとしたやや重たいトルクから指先に伝わる感触はさすが。ただし高性能レンズゆえにフォーカシングの頂点に追い込む作業は神経を使うことになる。使用にはそれなりに覚悟が必要だが、自分の思惑とレンズの性能が一致したときの喜びは大きい。

Milvus 2.8/18
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Milvus 2.8/18
3.5/18は11群13枚だったが、今回F2.8となり12群14枚構成になった。重さは100グラム以上増えたが、キヤノンEOS 5D MarkIVにつけたときのバランスはよい。クリアな再現性で「単焦点ならでは」と言いたくなる描写。至近距離で絞りを開いた場合にもフォーカシングのミスが減少した。歪曲収差もレンズ単独で補正。見事な性能だ●キヤノンEOS 5DMarkIV・AE(絞りf8・1600分の1秒・-1補正)・ISO400・AWB・RAW
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3.5/18は11群13枚だったが、今回F2.8となり12群14枚構成になった。重さは100グラム以上増えたが、キヤノンEOS 5D MarkIVにつけたときのバランスはよい。クリアな再現性で「単焦点ならでは」と言いたくなる描写。至近距離で絞りを開いた場合にもフォーカシングのミスが減少した。歪曲収差もレンズ単独で補正。見事な性能だ●キヤノンEOS 5DMarkIV・AE(絞りf8・1600分の1秒・-1補正)・ISO400・AWB・RAW
写真・図版(4枚目)| コシナ Milvus 2.8/18、2.8/15、2/135

Milvus 2.8/18
●焦点距離・F値:18ミリ・F2.8●レンズ構成:12群14枚(異常部分分散ガラス4枚、非球面レンズ2枚)●画角:99.9°●最短撮影距離:0.25メートル●最大撮影倍率:1:7●フィルター径:φ77ミリ●大きさ・重さ:キヤノン用:φ90.4×85.2ミリ・682グラム、ニコン用:φ90.4×82.7ミリ・637グラム●価格:税別24万1000円

Milvus 2/135
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Milvus 2/135
本体重量は1キロを超え(キヤノン用で)、クラシックシリーズより重くなった。フォーカスリングの回転角が大きく速写には向かないが、最近のデジタル一眼レフのファインダーでもフォーカスのピークをつかみやすい。日陰の悪条件でも光の拾い方が丹念で階調も豊富。ボケの大きさで個性的な写真になった。人物にも風景にも安心して使用できる●キヤノンEOS 5D MarkIV・AE(絞りf2・800分の1秒・-1.3補正)・ISO400・AWB・RAW
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本体重量は1キロを超え(キヤノン用で)、クラシックシリーズより重くなった。フォーカスリングの回転角が大きく速写には向かないが、最近のデジタル一眼レフのファインダーでもフォーカスのピークをつかみやすい。日陰の悪条件でも光の拾い方が丹念で階調も豊富。ボケの大きさで個性的な写真になった。人物にも風景にも安心して使用できる●キヤノンEOS 5D MarkIV・AE(絞りf2・800分の1秒・-1.3補正)・ISO400・AWB・RAW
写真・図版(7枚目)| コシナ Milvus 2.8/18、2.8/15、2/135

Milvus 2/135
●焦点距離・F値:135ミリ・F2●レンズ構成:8群11枚(異常部分分散ガラス4枚)●画角:18.7°●最短撮影距離:0.8メートル●最大撮影倍率:1:4●フィルター径:φ77ミリ●大きさ・重さ:キヤノン用:φ90.2×107.9ミリ・1015グラム、ニコン用:φ90.2×105.4ミリ・958グラム●価格:税別22万6500円

Milvus 2.8/15
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Milvus 2.8/15
クラシックシリーズでは固定フードだったが着脱式となった。超広角ながら周辺光量の低下もなだらか。開放からシャープでコントラストも高い。この条件では手前の石柱までの距離は0.8メートル程度だがディテール再現が素晴らしい。少し絞り込めばパンフォーカスも容易だ●キヤノンEOS 5D MarkIV・AE(絞りf8・2000分の1秒・-1補正)・ISO200・AWB・RAW
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クラシックシリーズでは固定フードだったが着脱式となった。超広角ながら周辺光量の低下もなだらか。開放からシャープでコントラストも高い。この条件では手前の石柱までの距離は0.8メートル程度だがディテール再現が素晴らしい。少し絞り込めばパンフォーカスも容易だ●キヤノンEOS 5D MarkIV・AE(絞りf8・2000分の1秒・-1補正)・ISO200・AWB・RAW
写真・図版(10枚目)| コシナ Milvus 2.8/18、2.8/15、2/135

Milvus 2.8/15
●焦点距離・F値:15ミリ・F2.8●レンズ構成:12群15枚(異常部分分散ガラス4枚、非球面レンズ2枚)●画角:110°●最短撮影距離:0.25メートル●最大撮影倍率:1:9●フィルター径:φ95ミリ●大きさ・重さ:キヤノン用:φ100.3×92.6ミリ・830グラム、ニコン用:φ100.3×90.1ミリ・780グラム●価格:税別28万2000円

◆赤城耕一

●マウント:キヤノンEF、ニコンF●URL:http://www.cosina.co.jp/

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