初任給を引き上げる企業が増えている(写真映像部・佐藤創紀)
初任給を引き上げる企業が増えている(写真映像部・佐藤創紀)
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 2025年4月入社の新入社員の初任給は大卒23万9280円、高卒19万8173円で、いずれも前年より約5%増加し過去最高を更新――。産労総合研究所の調査でこんな結果が出た。いい人材を獲得しようと、初任給を引き上げる企業が多いようだ。

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 同研究所は7日発表した「2025年度 決定初任給調査」によると、25年4月時点で確定した初任給は、大卒が23万9280円で前年比5.0%増加した。高卒は前年比5.37%増の19万8173円だった。金額はいずれも過去最高だった。

 20年4月は大卒20万9014円、高卒16万9687円だった。この5年間で大卒、高卒とも3万円前後上昇している。

 25年4月の大学院卒(博士)は同5.32%の26万4873円、修士は同5.25%増の26万905円。高卒、大卒、院卒のいずれも、前年より5%以上増えており、前年を大きく上回った。

 調査は4月に3千社に調査票を郵送し、336社から回答を得た。

 また、初任給の引き上げ状況を尋ねたところ、「引き上げた」企業は72.0%だった。1961年の調査開始以降、過去最多だった前年(75.6%)に次ぐ過去2番目の水準だった。前年割れしたのは、前年が大幅に上げた企業が多かった反動とみられるという。

 引き上げた理由(複数回答)は「人材を確保するため」が最も多く71.1%(前年73.5%)、次いで「在職者のベースアップがあったため」48.3%(同43.4%)だった。

 一方、初任給を「据え置いた」企業は23.8%だった。据え置いた理由は「在籍者のベースアップがなかったため」31.3%、「現在の水準でも十分に採用できるため」30.0%の順。「引き下げた」と回答した企業はなかった。

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