
「同一業種でも勝ち組と負け組があり、インフレがプラスといえるのは勝ち組企業の話です。投資家の選択眼が試されます」
そういえば、2025年2月に「グローバルX プライシングパワー・リーダーズ-日本株式ETF」が上場していた。
インフレ時代を勝ち抜く、価格競争力のある銘柄が対象だ。組み入れ銘柄が個別株投資の参考になりそう。
「日本株の上昇サイクルはまだはじまったばかりです」と重川さんは最後に言っていた。
さらに高利回りを狙う
楽天証券経済研究所シニアマーケットアナリストの土信田雅之さんは、今回の新NISA高配当株ランキングを見て「こんな投資アイデアがあります」と楽しそうに切り出した。
「11位に不動産大手のヒューリックが入ってますね。予想配当利回りは4.10%です。
この会社がスポンサーのヒューリックリート投資法人は分配金利回り5.71%で、ヒューリック本体より高い。
不動産会社が運営しているREIT(不動産投資信託)って高利回りのことが多いんです。REITも新NISAで個別株同様に買えます」
配当利回り重視の投資家にとって実用的なアドバイスだ。
「ランキング1位のJT、2位のINPEX、5位のソフトバンク、6位の武田薬品工業が高配当株の四天王セットです」
前回(2024年1〜8月)の調査でランクインしていたのに、今回は消えた銘柄も少なくない。日産自動車や安藤ハザマなどだ。
日産自動車は2025年3月期末を待たずに最終損益の赤字転落予想を発表しており、高配当どころの話ではない。
安藤ハザマはどうしたのか。
「株価が上がったので配当利回りが下がったんですね。新NISAで買おうと思いながら、結局は株価の安い局面を逃した投資家が少なからずいたでしょう」
安藤ハザマは2024年8月の安値1039円から2025年5月12日の高値1482円まで上昇。2月13日の大陽線がまぶしい。
鉄鋼株も目立つ。日本製鉄、JFEホールディングス、神戸製鋼所の高炉大手3社がそろってランクインしている。
「量では中国に勝てませんが、日本の鉄は高品質で、幅広い産業分野にニーズがあります」
配当利回りの数字だけでなく、配当の裏づけとなる企業の競争力も銘柄選びのポイントという。