
配当狙いは新NISAの王道。主要ネット証券5社の人気ランキングから予想配当利回り4%以上の銘柄だけを抽出し、買い付け金額順に並べた。【本記事はアエラ増刊「AERA Money 2025夏号」から抜粋しています】
【ランキング表】新NISA最新3か月で買われた高配当株ベスト30はこれだ!
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ブラックロック・ジャパンの大型株運用チームを率いる重川利枝さんは、2025年1〜3月の新NISA高配当株ランキングを見ながら、長期目線で注目の業種として金融と建設を挙げた。
キーワードはインフレ。日銀が政策金利を段階的に引き上げることで、金利のある世界が戻ってくる。
「金融株には明らかなプラスです。米国など海外は利下げ局面に入っていますが、日本はまだ利上げモードです。先行きの政策金利引き上げを期待できる点が人気を呼んでいるようです」
ランキングの中で、金融株は8位のMS&ADインシュアランスグループホールディングス(予想配当利回り4.45%)、21位の三井住友トラストグループ(4.08%)、25位の野村ホールディングス(5.66%)、26位の大和証券グループ本社(4.31%)、28位のマネックスグループ(5.59%)。

建設が工事値上げ
建設はこれまで注目度が薄かった気がするが。
「不動産市況は崩れていない一方で、職人が足りない、建設資材は高騰する。大型プロジェクトの延期やキャンセルが続出しています。
建設会社が工事価格を引き上げられるようになっているんです。今回こそ日本株の動きは本物だと、海外投資家は評価しています」
海外顧客のリアルな声を聴く重川さんの実感である。
ランキングの中で建設株は13位の積水ハウスと、30位の大林組だ。
企業が製品・サービスにコストに見合った価格を設定し、顧客が受け入れる。賃金も5%上がる。インフレ下でそんな流れが定着すれば企業の利益率改善に近づく。
「今まで数%だった営業利益率が平均8%まで上昇しています」
ただ、PBR(株価純資産倍率)1倍割れの銘柄もまだ多い。
