
番宣での「におわせ発言」で話題作り
ドロドロ系ドラマに欠かせない存在となった松本だが、ブレークまで18年もの長い下積み時代を経験したことは有名な話だ。その18年間を自ら「暗黒時代」と呼び、同世代の女優・宮崎あおいや蒼井優が先にブレークするなか、「実力的にも人間的にも『私はまだ売れてはいけない、表に立てるような人間では無い』と思っていた」(「読売新聞」18年10月25日)と語っていたこともある。そんな松本が表舞台に浮上できた背景には、仕事への意識改革があったようだ。
「“暗黒時代”に一念発起して1年間、単身でロンドンに留学したのが2010年のこと。そこでハングリー精神が鍛えられたと以前、インタビューで語っていました。帰国後、小劇場で舞台を中心に地道な活動を続けます。また、女優の仕事がなかった時期に声優としても活動し、人気ゲーム『ファイナルファンタジーX』にも出演しました。仕事がない環境でも腐らず自己研鑽に励み、ドラマに舞台にアニメやゲームにと、さまざまなジャンルに挑戦した結果、どんな役柄にも即応できる豊富な引き出しを手に入れたのだと思います」(同)
実際の松本は、ドラマの中のように激情に突き動かされるような性格ではなく、仕事の進め方も丁寧だという。民放ドラマ制作スタッフは言う。
「憑依型女優と言われることもある松本さんですが、現場では人の意見も聞きながら、きちんと話し合って役の解像度を上げていくタイプだと聞きます。一方、下積みが長かったせいか、出演作の視聴率など、数字にはとてもこだわるタイプでもあるようです。番宣で出たバラエティーでは、千鳥と共演した際に何の関係もない大悟との“怪しい関係”をにおわせ、スポーツ紙や週刊誌の誌面をにぎわせて話題作りをする知能犯的な一面を見せたこともあります」
芸能評論家の三杉武氏は、彼女が不倫ドラマで重宝される要因についてこう述べる。
「松本さんといえば、18年に放送されたドラマ『ホリデイラブ』で、不倫に走るあざとさを持つ一方で猟奇的な一面も持つ女性役を熱演して注目を集めました。その後も同年放送のドラマ『健康で文化的な最低限の生活』や『ブラックスキャンダル』でも感情表現豊かなヒステリックな役を好演しました。不倫ドラマでたびたび起用される理由は、優れた演技力やプロ意識の高さはもちろんですが、美形であざとかわいいイメージながらもどこか薄幸そうな雰囲気を醸し出せるところが大きいのではないかと思います。また、これまで決定的な恋愛スキャンダルもなかったせいか、私生活がベールに包まれている印象が強く、こうした点も人知れぬ恋を描く作品で重宝されている要因なのかもしれません」
近年のドロドロ系恋愛ドラマをけん引してきた松本。今年は名実ともに熱い夏になりそうだ。
(雛里美和)
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