
「少額からはじめてみましょう」と本誌もよく書くが、運用の世界は元本の大きさがモノをいう世界ではある。
だから(1)の入金力、(2)の再投資が(当たり前だが)重要だ。
資金が少ないうちは100株(1単元)で買えない銘柄もあるだろうが、主要ネット証券には1株から日本株を買えるサービスがある。
SBI証券は「S株」、楽天証券は「かぶミニ」、マネックス証券は「ワン株」、三菱UFJ eスマート証券は「プチ株」という名称だ。
株価1500円の銘柄なら通常は100株単位なので15万円の資金が必要なら、こういった1株投資サービスを使うと1500円から株を買える。
さて、(3)に関して配当太郎さんが注目するのは、毎年何%ずつ配当が増えているかを示す「増配率」だ。
配当金ダルマ育成
入金力と配当の再投資が自助努力による投資だとすると、増配だけは自分の財布からお金を出す必要がない。
その銘柄を長期保有しているだけで配当が勝手に増えていくわけで、ありがたい話だ。
増配率が高ければ、あなたの資産増加のスピードは加速する。「年間配当を目標まで引き上げるためのメインエンジン」だという。
保有する株の増配率が10%を超えれば、自己資金や配当金を再投資に回さなくても、その株を長期保有し続けるだけで勝手に増えることになる。
増配率が10%なら当初、年間12万円だった配当は16年後に50万円台となり、24年後には100万円を超える。
振り込まれた配当を再投資に回し、雪ダルマを大きくするように資産を増やすことを配当太郎さんは「配当金ダルマ」と呼ぶ。
配当金ダルマを大きく育てるという意味で、新NISA(配当も非課税)と高配当株は相性がいい。
「業績や配当は2008年のリーマン・ショック以降の推移を見ることにしています」
配当太郎さんは新NISAでも三菱UFJフィナンシャル・グループや三菱商事、KDDIなどを買い増している。