
昨年秋の衆院選で議席を急拡大させ、支持率を伸ばしてきた国民民主党だが、今夏の参院選を前に急降下。「山尾ショック」(同党幹部)によって、国民民主の勢いは止まってしまうのか。
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6月3日、国民民主の玉木雄一郎代表は記者会見で、国会で焦点になっている「内閣不信任決議案」の提出について、こう主張した。
「政権交代を目指す(立憲民主党の)野田氏として(不信任案を)出すべきではないか」
野党で唯一、単独で内閣不信任案を提出できる議席数を有する立憲民主党の野田佳彦代表は、不信任案を提出すべきかどうか悩んでいると伝えられる。石破首相が「不信任案の提出があれば、採決を待たずに衆院を解散する」と検討していることが報じられ、不信任案の提出は、そのまま衆院解散・総選挙へとつながる可能性が高いからだ。
立憲民主の中には、
「解散・総選挙は望むところ」(小沢一郎衆院議員)
という強気な主戦論と、
「自民党だけでなく、うちの支持率も伸びてはいない。政権交代にはつながらない」
「自民党と大連立を模索すべき」
などといった慎重論があり、意見が分かれている。
玉木氏は、悩む野田氏に対して、立憲民主党から不信任案を出させ、解散・総選挙をせかすような発言をしたわけだ。
女性の支持率が急激に低下
国民民主は昨秋の衆院選で選挙前の7議席から28議席へと4倍増を果たし、支持率も伸ばしてきた。参院選の前哨戦となる6月22日投開票の東京都議選でも、現有議席はゼロながら、20人の候補者擁立を発表している。
「自民党と公明党の政権与党に加わるのもよし、野党中心の連立政権でいくのもいい。いずれにしてもうちの党がキャスティングボートを握っている」
と国民民主の幹部は強気だ。
だが、その勢いに陰りも見え始めている。
5月末から6月にかけての各メディアの世論調査で、国民民主の支持率は軒並み低下した。たとえば5月17・18両日に朝日新聞社が行った世論調査では、同党の支持率は8%で、4月調査の12%から4ポイント下落。とくに女性の支持率が10%から3%へと急激に落ちている。
国民民主幹部は、こう話した。
「山尾志桜里氏を公認したのが大きかった。山尾ショックだ。こんなにやばい状況になるとは玉木氏も想定外だろう」