
「上場企業に資本コストや株価を意識した経営が要請されている流れもあり、キャッシュリッチ企業には、社内に貯め込んだ現金を株主還元に回して株価を引き上げなければならないというプレッシャーがかかっています。
日本ではインフレが進んでおり、現金を抱え込んでいても価値が目減りしていくだけ。
デフレ時代はキャッシュ・イズ・キングでしたが、インフレの今はリターンを生む事業投資やM&A(企業の合併・買収)に現金を使ったほうが資本の使い道として合理的です。
そういった使い道がないなら、余った現金は株主に返したほうがいいでしょう。
現金を豊富に持つ企業は、株主還元策の強化にも期待できます」
地味で着実
ランキング上位には建設業、卸売業、自動車部品メーカーなど地味な業界の企業が目立つ。
「建設業や卸売業には設備投資をする必要があまりない銘柄が結構あります。
儲かったお金が内部留保として社内にどんどん貯まっていく構造。
電気自動車や自動運転関連などは研究開発や設備投資にお金がかかりますが、昔ながらの自動車部品メーカーは設備投資にそこまでお金をかけなくていい」
7位の村上開明堂(予想配当利回り3.10%)はバックミラーを作っている会社。
11位のエフ・シー・シー(同6.21%)はクラッチを作る部品メーカー。ともに創業からの歴史が長く、社内に豊富な現金が積み上がっている。
5位のアクセスグループ・ホールディングス(同2.92%)などランキングには情報サービス業も目立つ。
「ソフトウェアのパッケージや税金、会計のソフトなどを作っている中小型のシステム会社はAI関連の投資もそこまで必要ではない。
トランプ関税ショックの影響もほとんどない。
税金や会計は『日本の税制や決算』に完全対応しているので、海外企業から仕事を取られる心配も少ないでしょう」
地味で着実、安定、現金いっぱい、配当の余裕あり。おもしろい。

(21位以降のランキング結果は次のページに掲載しています)
さて、こうした連続増配を続ける好業績企業を個人投資家が独力で探すためには?
楽天証券国内株式事業部の竹内広大さんによる「スーパースクリーナー」の検索条件をここでも紹介する。
まず「時価総額」1000億円以上、「配当利回り(予)(%)」3%以上、「コンセンサスレーティング」3.5以上で絞り込む。
さらに次の3項目を追加しよう。