
AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。
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Q:オープン当初から通う飲食店があります。一人で切り盛りする店主(40代男性)とも打ち解けた今は居心地も良く、長く続いてほしいお店です。しかしシャイで無愛想タイプの店主は、特に一見さんへの対応が冷たくなりがち。「お待たせしました」と感じよく言えれば、リピーターも増えるはず。他に客がいない時に伝えようかと思いますが、出すぎたまねでしょうか?(男性/翻訳家/53歳/おとめ座)
A:好きなお店の店主さんと打ち解け合った関係になるのは素敵ですし、自分にとって大切な居場所にもなりますよね。
個人的な経験談になりますが、僕は定期的に整体と美容室に通っていて、いずれも僕と同じ年代の男性が1人でやっているお店です。そこに行く時間は僕にとって大事な時間だし、その二人の店主も、なんというか僕を大事な客として扱ってくれているような感覚を覚えるんですね。僕がしいたけ.であることなどは明かしていませんが、すごく和やかな空気が流れて。
それはなぜかというと、僕が同じ自営業の立場だからじゃないかと思っています。自営業として、業種が違う人に対して僕が心がけているのが、「アドバイスをしない」ということ。いいと思ったことは言います。でも、あとは「聞かれたら言う」程度に留めておくことを鉄則にしています。
自分も含めてですが、男性はどうも相手に「アドバイスをしてあげなければいけない」という感覚が強い気がします。
ただ僕自身も自営業の立場として考えると、他人からのアドバイスって意外と抵抗感が強く出ます。なぜなら自営業は単なるお金儲けのためだけにやっているわけではなくて、その人の「スタイル」という確固たるものがあるから。その壁はものすごく分厚い気がします。
あともう一つ、僕が最近よく通っているラーメン屋さんがあります。その店は海外の方がやっていて、目も合わせないで「いらっしゃいませ」と言うような店なんですが、その空気感がすごい好きなんですね。こちらもまったく気を使わなくてよくて、放置してくれる場所みたいな感じ。僕にとってオアシスなんです。
人っていろんなタイプがいるから、僕みたいに無愛想なほうが居心地がいいというお客さんも、もしかしたらいるんじゃないかと思います。
その一方でなんですが、僕はおとめ座のアドバイスに助けられたことが人生の中でわりと何度もあります。
「余計なお世話かもしれないけど、もっとこうしたほうがいいのでは」と言ってくれるのって、なぜかおとめ座の人が多くて。「なんか言いたそうだな」というのが空気で伝わってくるので、その時に自分から聞くようにしています。相手から聞かれたときには、ぜひアドバイスしてあげてください。
※AERA 2025年6月2日号
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