
24歳の息子とは「友達みたいな関係」
それまではライブのときにはあまりイヤモニ(アーティストがステージ上で自分の声や演奏などを聴くために使用されているイヤホン)をしていなかった岡本さんだったが、イヤモニをつけてみたところ、明らかにピッチが良くなった。
「実は(病気と)長いつきあいだなと思いますね」
それゆえ、岡本さんがいま一番心がけているのは、ストレスをためない環境づくりだ。
「年に1回はパリに一人旅に行きます。あとドライブが好きなので、遠出して日帰りしたりもします。5~6時間は平気で運転できるんですよ。那須や軽井沢も好きなのでけっこう行きますし、海も好きなので、暖かい時期になると仕事の前、逗子に朝一で行ってお茶して帰ってくる、なんてこともありますね。大人になってくると自分の機嫌を自分で取れるようになるんだな、と思っています」
ストレスで体を壊したからこそ、逆にアクティブになったところはある、と岡本さんは話す。息子が高校生になるぐらいから、朝学校に送り出したらすぐ車に乗り、富士山の写真を撮って夕方に帰ってくる、といった息抜きもしていた。
息子はすでに24歳で、大学を卒業して独り立ちした。いまも仲が良く、「友達みたいな関係ですね」と岡本さんは言う。
「今振り返れば、反抗期もなかった気がします。私が反抗期をつくらせなかったのかな……あまり怒るタイプではないので、反抗するタイミングがなかったのかな、とも思います。彼とは小さいころから映画をよく見に行っていて、最近もたまに一緒に行ったりしますね。周りからは意外だと言われるんですが、私はマーベル系の映画が好きで、子どもが小さいころから『トランスフォーマー』などを一緒に見に行ってました」
息子が巣立った今は、猫の「こしあん」との“2人暮らし”。仕事で長期で家を空けるときは息子が預かってくれるが、普段はこしあんがいるので息抜きのドライブも日帰りになるのだという。