
単なる写真集にとどまらず、世界の“奇妙さ”や“不思議さ”を追い求める佐藤健寿さん。博物学的、美学的視点から捉えた彼の作品を通して、私たちは日常の中に潜む非日常や、見過ごされがちな世界の一端を垣間見ることができます。
一節対話の収録に、佐藤さんが登場! 海に浮かぶ、かつての都市「軍艦島」について、佐藤健寿さんに聞いてみました(朝日新聞出版YouTube:一節対話「THE ISLAND軍艦島」より一部抜粋)
※書籍はこちら→『THE ISLAND軍艦島』
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謎多き一編の「詩」に導かれて
担当編集者(以下、編集):今回は写真集ということで、佐藤さんにあとがきを朗読していただきました。この写真集には、写真だけでなく「詩」が添えられています。この「詩」が写真集全体を非常に特異なものにしていると感じました。
改めて、なぜこの詩を選んだのか、経緯を教えていただけますか?
佐藤健寿さん(以下、佐藤):そうですね、もともとこの軍艦島の写真集を作ろうという話が出たとき、私は別件で朝日新聞の報道写真アーカイブを見ていたんです。その中に、軍艦島の昔の写真がいくつかあり、その中に今回の詩が写った写真も含まれていました。