天皇陛下が「宇津木さん、どうも」と声をかけられ、長年のソフトボール女子代表監督としての尽力をねぎらい、会話を始めた。宇津木妙子さんは、ソフトボール生活が60年を超えたことを「還暦です」と話し、現在は子どもたちの指導のために「いまも投げたり打ったりしている」ことを明かした。そして、宇津木さんは、こんな“提案”をしてきた。
「今度ね、皇后陛下に一度ノックしたいなと思って」
雅子さまが「ありがとうございます」と宇津木さんに言うと、その会話をすばやくキャッチされたのは天皇陛下で、
「雅子なら上手に捕れると思います」
と、笑顔で答えられた。すかさず雅子さまも連携プレー。「そうしたら愛子が……。もうちょっと体が動かない……」と雅子さまは微笑み、元日本代表監督のまさかのノックの申し出に天皇陛下も雅子さまも笑い合った。
それでも、宇津木さんは“本気”のようで、会話の最後に「一度ご縁をいただいてお伺いしたいなと。ノックバットを持っていきたいなと」と告げていた。天皇陛下と雅子さま、そして宇津木さんも和やかな笑顔に包まれていた。
天皇陛下はテニスやスキー、雅子さまはソフトボールのほか、幼少のころ暮らしていた旧ソ連でスキーやスケート、愛子さまはバスケットボールやテニス、スキーと、天皇ご一家はスポーツ万能なことでも知られている。宇津木さんのノックの提案のやりとりも、ソフトボールに打ち込んでこられた雅子さま、またスポーツ万能な天皇ご一家ならではの懇談だった。

