
女性として非常によく理解できると同時に、「体力」という点において女性のなかではかなりの強者として、うしろめたい気持ちにもなりました。私には体力でなんとかしてきたことが多すぎる。
体力がなくなりました、昔のようにはいきませんと言ったり書いたりしながらも、やはり同世代と比較すれば私は体力お化けです。30代の自分のようにはいかないけれど、体力のない30代よりは無理が利いてしまう。
体力があること自体は悪ではなく、強者である自覚を持ち他者に配慮ができるなら問題ないはずなのに、特権を行使しているような居心地の悪さが常に付きまといます。
世間を見渡すと、実は体力次第でなんとかできることが多い仕組みになっています。健康がなによりの財産と言いますが、それ以上に体力だ。
うしろめたさを感じながらも、私はこれを失うのが恐ろしくて仕方ありません。長所が頭脳明晰や美人だったら、これほど居心地が悪くならずに済んだのでしょうか。
体力特権、女性であるがゆえに自覚があり、悩ましい。男性はいつ頃そう感じるのかしら。頭ではなく、単に体力でなんとかしてきただけなのだと。
※AERA 2025年4月28日号