
そして父親の礼宮さま(秋篠宮さま)は、記者から「具体的には?」と尋ねられて、
「たとえばテレビに出ている新珠三千代さんとか。最近の若い人はあんまりよく知らないので……」
と答えている。
おふたりとも、誰もが納得するような著名人の名前を具体的に挙げて、それ以上の追及をうまく交わす余裕を感じさせる答えだった。
それに比べると、悠仁さまの答えにはユーモアの要素がなく、そっけない印象を受けたと河西さんは話す。

メディアと距離を置いてお育ちに
そのユーモアの足りなさは、皇位継承者という悠仁さまの立場に影響するものなのか。
1947年に日本国憲法が施行され、天皇が日本の象徴という存在になってから、まもなく80年になる。
「今は、天皇だから無条件に支持される、という世の中ではありません。天皇がどのような人柄であるかが伝わってこそ、共感と支持が皇室に集まるのだと私は考えています」(河西さん)
天皇陛下や秋篠宮さまは、生まれたときからメディアに囲まれて育ち、マスコミへの対応やジョークにも慣れている。
「一方で、秋篠宮さまの方針もあってか、悠仁さまはマスコミに露出する機会が限られ、メディアとの距離を保ったまま成長された。それが、今回の会見での遊びがなく、まるで『おことば』のような回答にあらわれていたと思います」
「会見をミスなく行ったから成功」というスタンスで皇室から一方通行で発信するのではなく、会見を通じて悠仁さまの性格や魅力を伝え、国民と皇室のキャッチボールを感じさせるものになってほしいと、河西さんは指摘する。
これからは大学での学業を優先しながらも、少しずつ公的な活動に携わっていくことになると、悠仁さまは会見で話した。国民と接する機会が増すことで、これから悠仁さまへの注目が集まることになりそうだ。
(AERA dot.編集部・永井貴子)