2024年4月12日、アメリカ・フロリダ州であった慈善団体「サンタバリー」が主催したチャリティ・ポロマッチに参加したヘンリー王子。アルゼンチンのプロポロ選手イグナシオ・ナチョ・フィゲラスさん(左)、サンタバリー理事長のソフィー・チャンダウカ(左2人目)、サンタバリーCEOリチャード・ミラー(右)とともにカメラに収まった(photo PA Images/アフロ)
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 へンリー王子(40)が先週、慈善団体「サンタバリー」のパトロン職を辞任した。王子自身が創設に関わった思い入れのある団体にも関わらず、だ。

【写真】名門イートン校を卒業した日のヘンリー王子。この後のギャップイヤーに南アフリカを訪れている

 2004年、名門イートン校を卒業したヘンリー王子は、ギャップイヤーを取得して南部アフリカに滞在した。その時、レソト王国のセーイソ王子(58)と出会い、貧困やエイズに苦しむ若者の実態に触れた。その結果、2006年、セーイソ王子と共に彼らの救済を目的として創設したのがサンタバリーだ。

 23年にヘンリー王子が来日し、「スポ―ツ平和サミット」に出席しているが、これもサンタバリーの広報活動の一環だった。私も東京の会場でサミットを取材したが、その時もレソトの子どもたちの笑顔が大スクリーンに表示され、サンタバリーの活動が紹介されていた。ヘンリー王子は「母ダイアナの遺志を継ぐ仕事に関わることを誇りに思う」と熱く語った姿が印象的だった。

慈善団体理事長が「人種差別といじめを受けた」と訴え

 しかし、このたびの辞任をめぐっては、サンタバリー理事長のソフィー・チャンダウカ博士(47)から、人種差別やいじめなどをしたとして、ヘンリー王子は糾弾されている。一体何があったのか。

 理事長はジンバブエ出身。オックスフォ―ド大学法務研究所で学び、金融関係の弁護士として活躍、名誉博士号を授与された。存命だったエリザベス女王から「ビジネスにおける多様性の貢献」で勲章を与えられるなど、評価は高い。

2003年6月1、イートン校を卒業したヘンリー王子。最後のAレベル試験を受け、13歳から5年間通った英国トップクラスの私立学校に別れを告げた。この後のギャップイヤー期間に南アフリカなどを訪れている(photo ロイター/アフロ)

 そんな理事長だが、24年アメリカ・フロリダ州でのポロ試合時にメーガンさん(43)とトラブルになっている。写真撮影をする場面で、ヘンリー王子の横に立とうとした理事長にメーガンさんは王子から離れるように2度指示。そのため、理事長は“ぎこちなく身をかがめて”移動し、メーガンさんは望んだ通り王子のすぐ隣の位置を占めたのだ。メーガンさんは当初はポロの試合を欠席としていたが、ネットフリックスのカメラクルーが来ると知ると急遽やってきたという。

過去にメーガンさんとトラブルに

 メーガンさんが理事長を追いだすような動きをしたことに彼女への非難が高まった。するとヘンリー王子が「メーガンを支持する声明」を出すよう圧力をかけてきた、と理事長は証言した。以前からメーガンさんは理事長を嫌い、何かと王子を焚きつけていたとも言われているそうだ。

 ヘンリー王子夫妻の友人らからは「夫と妻の間に分け入ろうとする理事長がおかしい」「理事長はメーガンに嫉妬しているだけ」と理事長を批判する声が上がる。けれど、理事長は「まるで法律の上にいるかのような態度をとる人がいる。サセックス・マシ―ンを私に向かって解き放った」と反論。その発言に「彼女の言葉を信じる。応援したい」との声も集まる。

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