阪神ファンをカタったらあかん!

背景に関西での営業戦略があった?

 スポーツ紙で当時芸能担当だった記者はこう語る。

「球団の月刊誌で阪神ファンと紹介された当時はSMAPがまだ国民的アイドルに駆け上がる前で、中居さんの知名度が高いわけではなかった。SMAPが関西のバラエティー番組のレギュラーを務め、関西弁で歌うシングル曲『Hey Hey おおきに毎度あり』が初のヒットチャート1位を記録するなど、関西で人気がグッと上がってきた時だったことが阪神ファンと名乗った背景にあったと思います。本人の意向というより、事務所側の営業的な戦略があったんじゃないですかね」

 中居氏の「阪神ファン」は営業トークだった可能性があるという。それでも、野球好きは本当だろう。プロ野球の中継スタッフだった民放テレビ局関係者は、中居氏の野球に関する知識量に驚かされたという。

「中居さんは他球団の選手のこともよく調べていました。巨人ファンを強調していた時期がありますけど、次第に野球全体が好きなんだなと感じる場面が多かったですね。野球雑誌でコラムを掲載していた時期がありましたが、巨人以外の選手も多く取り上げていました。横浜(現DeNA)のエース候補として期待された高崎健太郎や、若手成長株だったオリックスの宗佑磨など渋い選手を取り上げて熱い思いを吐露していたのが印象的です。侍ジャパンのレポーターだった時も、巨人の選手以外に興味がなかったわけではなかったと思います」

 野球にまつわる仕事だけでなく、プライベートでもテレビでプロ野球中継を見続けていると明かすほど「野球愛」にあふれていた。だが、今後はグラウンドでその姿を見ることはない。

 前出の巨人OBは、複雑な表情でこう話した。

「うーん、性暴力のことを考えると、なんとコメントしていいか分からないですが、プロ野球の魅力を伝えてくれた第一人者だったことは間違いない。自分の行った過ちと向き合ってほしいです」

(今川秀悟)

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