「涌井からは『足を上げた時に真っ直ぐ立て』といった基礎を徹底されたらしい。『基本のき』を今になって教えられるのは、本質を知らないまま投手生活を送っていたということ。逆に言えば、真っさらに近い状態なので伸び代も多いと言えるのだが……」(スポーツ新聞野球部デスク)

「地元出身の選手で根強い人気を誇るということもあるが、今も球団は選手としての可能性を感じていると思う。厳しい意見も耳に入ってくるはずだが、多くの人は信じて待っているので頑張って欲しい」(中日OB)

 3月18日のオリックス戦(ナゴヤ)では、今季二軍初登板を果たした。最速147キロの真っ直ぐを軸に1回を1安打無失点に抑えるなど、現在はファームで登板を重ねている。二軍の落合英二監督も「一軍でチャンスはある」と7年目の右腕に期待を寄せている。

「投球フォームも球質も素直なので、現状で長い回を任せるのは難しい。まずは制球力を磨き上げて1回を完璧に抑えられる投手を目指したいところ。多くの人が認めるスライダーのキレがあるので、成長次第では抑えを任せられるようになるかもしれない」(在京球団編成担当者)

「先発の小笠原慎之介(ナショナルズ)、抑えのライデル・マルティネス(巨人)が抜けたことで投手陣に2つの穴が空いた。大きなチャンスなので、自らの手で掴み取ってもらいたい。覚えることは多いだろうが、1つずつ着実に成長することを望みたい」(中日OB)

 開幕早々の一軍昇格は難しいかもしれない。しかしアマチュア時代は多くの大舞台で結果を残してきた根尾だけに、覚醒して期待に応えてくれる日を誰もが待ち焦がれている。

「野球への情熱、向上心は衰えていないようなので信じたい」(中日OB)

 大谷翔平ドジャース)を中心としたMLBの話題ばかりが溢れている野球界、根尾が仮にブレイクすればNPBにとって大きな出来事にもなるだろう。今季から「背番号30」を背負う、地元のスターの飛躍に期待するファンは多い。

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