中日・根尾昂(写真提供・日刊スポーツ)
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 中日・根尾昂は投手として戦力になることができるのだろうか。入団時は「二刀流」で勝負できるという評価もあったが、投打のいずれでも目立った結果を残せず。プロ入りから早くも7年が経過し、今では「過去の人」にすらなりつつある。4月で25歳という年齢を考えても、プロ野球選手として崖っぷちなのは間違いない。

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 根尾は2022年シーズン途中に転向した投手としては、30試合の登板で防御率3.65となかなか殻を破れずにいる。野手としても苦戦しているだけに、4球団競合でプロ入りした逸材として“期待外れ”と呼ばれてもしょうがない。

「高卒すぐに結果を出せるほどプロは甘くないので、多少の時間は必要と思われたがここまで苦しむとは……。高校野球好きの国民性もあって期待が膨らみすぎて、過大評価された部分もあったかもしれない」(在京球団編成担当者)

 高校3年時には投打の中心選手として、甲子園で春夏連覇を達成するなど「大阪桐蔭最強世代」の1人として注目された。岐阜県出身で地元球団と言える中日に入団、「将来のスーパースター誕生」と騒がれたものだった。

「野手一本」を明言して遊撃手としてプロ生活をスタートさせたが、2021年からは外野手として起用。翌2022年途中からは実質の投手専任となったが、結果はついてこない。

「プロ入り時の与田剛監督には外野手へ、次の立浪和義監督には投手へ転向させられた。首脳陣の意向で変化した形だが、根尾の適性が『どっちつかず』で苦肉の策だったと言える。今季から指揮を執る井上一樹監督はリリーフ投手と考えているが、最後のチャンスになりそう」(スポーツ新聞野球部デスク)

「『チームの方針が一貫していなかったことの被害者』との声も聞こえる。しかし、根尾自身に確固たる信念がなかったのもある。プロの世界で頼りになるのは自分自身の腕しかない。どこで勝負したいのかの強い意思表示も必要だった」(中日OB)

 投手に転向した2022年シーズンは25試合に登板したが、それ以降は成績が下降してるのは気になるところ。昨年は一軍ではわずか3試合の登板に終わっている。今季にかける意気込みは強く、オフ期間にはベテランの涌井秀章らと合同自主トレを行い「投手のイロハ」を叩き込まれた。

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根尾は7年目の今季“ブレイク”できるのか