
作家・北原みのりさんの連載「おんなの話はありがたい」。今回は、杉田水脈氏の「イメチェン」について。
【写真】イメチェン後の杉田水脈氏。故・安倍晋三氏との2ショットも
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杉田水脈氏が今夏の参議院議員選挙比例区で自民党に公認されたという。
国会議員の立場にありながら、「LGBTには生産性がない」「(生活保護を)外国人に支給するのはおかしい」「『慰安婦』問題などない」「女性はいくらでも嘘をつける」など、社会的立場の弱い人や性被害者に対する偏見をあおる発言を躊躇なく行い、そのことで名をあげてきた杉田水脈氏が、再び国会に戻る可能性が出てきた。
久しぶりに杉田水脈氏の公式サイトを開いて、驚いた。以前とはずいぶんと雰囲気が違うのだ。議員でなくなっていた間に、かなりイメチェンに投資したのではないか。もしかしたらPR会社なども入り、マーケティングもしっかりされたのではないか。それくらいに、杉田氏は「変わった」。まるで大物政治家の雰囲気すら漂う論客のような雰囲気に仕上がっているのだ。
まず“見た目”が変わった。新しく撮り下ろした写真などは、まるで「櫻井よしこ」である。というか、多分、すごく櫻井よしこ氏を意識している。髪は獅子のように豊かに膨らみ、目の際は鋭さをにじませるアイラインが上下きっちりと引かれている。
メイクとかヘアスタイルだけではない。服装も変えてきた。ルッキズム的な物言いで申しわけないが、杉田氏は、どこか“小物感”があった。それは、どことなく垢抜けない雰囲気のせいだったと私は思う。“垢抜けない”というのは、言葉を選ばずに言えば、杉田氏には石破茂首相と同種類の「だらしなさ」があったからだ。
石破さんは総理になってから、座り方や歩き方などの所作やスーツの着こなしが「だらしない」と言われ続けているが、以前の杉田氏にはそういうだらしなさがにじみ出ていたと記憶している。ヘアスタイルも服装も少しだらしない。たとえば杉田氏の公式サイトには、故・安倍晋三さんと一緒に写っている(杉田氏にとってはとても大切なはずの)写真が掲載されている。杉田氏は高そうな白のツイードのスーツを着ているのだけれど、スーツのサイズが合っておらず(エリが大きすぎるし、ぶかぶかだ)、さらにスカートがシワだらけなのだ。それは多分、三原じゅん子議員にはあり得ない類いの“スカートのシワ”である(←イメージです)。