
西武の本拠地ベルーナドームはプロ野球の球場として今後“より良い”ものになれるのだろうか……。
【写真】本拠地移転から25年以上経つが、今でもファンに愛されている球場がこちら
今に始まったことではないが、完全密閉型ではないドーム球場については、夏は蒸し暑く、春と秋は肌寒いことからファンなどを中心に“不満の声”も多く聞かれている。
つい先日には「やっぱりあのドーム球場、屋根だけあって夏めちゃくちゃ暑くて、冬めちゃくちゃ寒くて、遠い」と日本ハム・新庄剛志監督が移転を推奨する発言が波紋を呼んだ。
いきなり本拠地を移転すべきという発言には反論もあるが、同時に球場に関する指摘自体は否定できないという声も少なくない。
ベルーナドームは、1999年に現在のドーム球場となってから25年が経過した。1979年に球団の本拠地が埼玉に移転することに伴ってオープンエア型で開場した西武球場だったが、後付けで屋根が取り付けられたことで大きな話題となった。
「新庄監督の発言は選手、ファンの多くが感じていたこと。肌寒さは服装で何とかなるが、酷暑だけはどうしようもない。地球温暖化も進み、夏場はドーム内に湿気がたまりサウナ状態。ゲリラ豪雨になると雨風が猛烈に吹き込む。野球をプレーしたり、見て楽しめる環境ではないようにも感じる」(在京テレビ局スポーツ担当)
昨年4月14日のソフトバンク戦では西武・高橋光成、7月5日にはロッテ・小島和哉が熱中症の症状を訴えたこともあった。「夏の高校野球(甲子園)で熱中症が心配されることはあるが、まさかドーム球場で……」(在京テレビ局スポーツ担当)という声が出るのも当然だ。
「1999年は気候の変化も今ほど激しい時代ではなかった。25年の間に地球全体で状況が変わっているので、何かしらの対応は急務。また球場への通勤に関して渋滞が激しい部分には、常に不満の声が上がっている。新庄監督の発言に賛同する関係者がいたことも間違いない」(西武関係者)
しかし、現在の環境を劇的に変えるための措置は簡単なことではない。現状の問題については諦めに似た雰囲気も感じさせる。「暑さはフィールド内でプレーに参加していない時に、個々が対策を取るしかない。渋滞問題も時差通勤しか手がない」と関係者が寂しそうな表情で話していたのは印象的だった。