八田亜矢子さん(撮影/写真映像部・佐藤創紀)
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東大生タレント」として活躍し、クイズ番組などに出演している八田亜矢子さん(40歳)。インタビューの【前編】では、桜蔭中学から転校した理由や、東大入学後に芸能界入りしたきっかけなどを紹介しました。【後編】では「東大生タレント」としてブレークしていくなかで感じていたこと、結婚子育てを経て感じている自らの教育観などを聞きました。

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 八田さんは大学2年で現在の事務所に所属してすぐ、「現役東大生」としてクイズ番組に出演している。「クイズ番組に出てみる?」ぐらいのノリで打診された仕事だったが、いきなり「東大生」というだけで注目され、持ち上げられていく環境の変化に驚いたと振り返る。

「こんなに“東大”というものに価値を見いだしてくれるのか、と思いました。中高は進学校で、友達もみんな東大ではなくとも偏差値上位の大学に行っていたので、『そういうものか』ぐらいに思っていたんです。そんなふうにチヤホヤしてもらえるなんて全然思ってもいなかったので、逆に自分は狭い世界で生きてきたんだなと思いました。東大生とはいえ、全然英語もしゃべれないし、わからないものもいっぱいあるんですけど、テレビで注目されてしまい『すいません』という感じでした」

 八田さん自身は東大の中では勉強が得意とは思っておらず、漫画とゲームが大好きなオタク気質だった。

「でも、そういう発言をすると場がシーンとなっちゃうことがあって……。求められているイメージと違うのかなって思うことはありました」

 当時テレビで求められていたのは、秀才で優等生、なんでもそつなくこなす「世間がイメージする東大生」だった。それゆえ、八田さんも芸能活動を始めた頃は、あまりオタク気質な部分は出さないようにしていた。

 そのかいあってか、芸能活動は順調だった。情報番組「ラジかるッ」(日本テレビ系)や、「王様のブランチ」(TBS系)のリポーターなど、順調に仕事が増えていった八田さん。ただ、多忙になってくると学校に行く時間が取れなくなってきた。2年生のときには2度の留年。「全然大学で勉強していないじゃないか」と強めに叱られた。

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29歳で東大時代の同級生と結婚