たかいし・あかり/2002年、宮崎県出身。公開待機作に「私にふさわしいホテル」(12/27~)、「遺書、公開。」(1/31~)などがあるほか、TBS1月期日曜劇場「御上先生」にレギュラー出演する(撮影/写真映像部・東川哲也)
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TBS日曜劇場「御上先生」が話題だ。文科省のエリート官僚が高3の担任教師になり、18歳と共に教育業界の権力へ立ち向かう教育再生ストーリーだという。生徒役のひとりとして出演しているのが女優の高石あかりさん。いま注目の若手のひとりだ(この記事は1月1日に配信した内容の再掲載です。年齢、肩書などは配信時のままです)。

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「ベイビーわるきゅーれ」で映画作品初主演を果たし、2023年には第15回TAMA映画賞最優秀新進女優賞を受賞した女優・高石あかりさん。2024年は同作続編に加えて5本以上に出演と大躍進。NHK朝ドラヒロインにも抜擢され、ますますの活躍が期待される。AERA2024年12月30日-2025年1月6日合併号より。

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「マネージャーさんがサプライズで手紙をくれたんです。『ヒロイン決定』と書かれたその文字を見たとき頭が真っ白になって、言葉もうまく聞き取れないような感じでした」

 2025年度後期放送のNHK連続テレビ小説「ばけばけ」のヒロインに選ばれた俳優・高石あかりさん(22)は、その瞬間をかみしめるように頬を紅潮させて語った。

 大きな瞳に艶やかな黒髪。可憐(かれん)なルックスに加えて、呼吸するように自然な演技が見る人の目を離さない。殺し屋女子ふたりのゆる~い日常とアクションが人気の映画「ベイビーわるきゅーれ(ベビわる)」シリーズをはじめ、その演技力は早くから注目されてきた。

「ばけばけ」は小泉八雲とその妻・セツをモデルにした物語だ。高石さんは朝ドラヒロインのオーディション3回目の挑戦で大役をつかんだ。

「これまで経験したオーディションとはまったく違いました。書類審査は『自分の長所』とかでなく『ばけるという言葉を使ってエッセイを書く』というもの。演技審査では小泉八雲の怪談を丸暗記して表現しました。難しかったです! でも頭フル回転で『次はどうしよう』って考えるその一瞬も楽しかった」

ビデオに夢を語る姿

 八雲の研究は進んでいるが、セツはまだ知られていない部分も多い。役作りを模索するなか、先日、八雲をモデルにしたヘブン役のトミー・バストウさんと八雲ゆかりの島根県松江市を訪れた。

「八雲さんのひ孫にあたる小泉凡さんにいまも残るさまざまな場所を案内していただき、八雲さんのお人柄を伺いました。そのうちにそんな八雲さんを見て、八雲さんに思いを寄せているセツさんの像が、少し見えた気がしてきました」

 2002年、宮崎県生まれ。俳優になりたい、と思ったのは保育園のときだ。ドラマ「花より男子」を見て井上真央さんに憧れたと言う。

「正直小さすぎてよく覚えていないんですが、ホームビデオに『将来、俳優になりたいです』と答えている自分が映っているんです」

 小学生のころオーディションで賞を獲得し、芸能界への一歩を踏み出す。歌や踊りのレッスンは受けたが、演技を学んだこと自体は少なかった。

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芽吹いたからには、やっぱり花を咲かせたいです