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作家・鈴木涼美さんの連載「涼美ネエサンの(特に役に立たない)オンナのお悩み道場」。本日お越しいただいた、悩めるオンナは……。
Q. 【vol.34】生まれてから彼氏がいたことがないワタシ(10代女性/ハンドルネーム「はらはら」)
現在、高校三年生(十七歳)です。私は生まれてから十七年間、彼氏がいたことがありません。私の周りの同級生は、どんどん恋愛でいろんな経験を重ねていて、自分だけ置いていかれていると思うときが多々あります。また、高校三年間女子校で、大学から共学なので少し不安です。男性への免疫がついてないからこそ、ちょっと優しくされただけで好きになってしまいそうで不安です。鈴木先生、アドバイスあれば教えてほしいです!
A. 変な男にハマって痛い目を見て、その話を分かち合う楽しさを謳歌してください
もうすぐ卒業、大学進学を控えて、高校三年間、あるいは生きてきた十八年、私って一体何してきたんだろうとか、もっとアレしたりコレしたりすればよかったとか、身になること何もできていないなとか、色々思う時期ですよね。よく、生命力が弾ける赤ちゃんを見ると元気が湧く、という人がいますが、私はセブンティーンの女の子たちを見るのが一番好きです。みんな無駄なことで死ぬほど悩んでいて、子どもの狡(ずる)さと大人の自由さを併せ持っていて、そこそこ賢いけれどもかなり愚かで、お肌は瑞々しいけれども化粧がまだ下手で、最高に魅力的だと思います。
とはいえ自分自身が十七歳だった時の気持ちになれば、悩みはそれなりに切実で、子どもの不自由さと大人の醜さの狭間で揺れていて、しんどいことも多い時期だとも思います。それまでほぼ自動的に中学、高校と上がってきたのに対し、自分の判断でかなり個人差の大きい選択をして進んでいく、最初の岐路でもあります。自分が選んだ道が自分に合っているのか、間違ってはいないか、他に比べて見劣りしないか、など気になることも多かった気がします。