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1話数分のストーリーをスマートフォンの縦型画面で楽しむ「ショートドラマ」が注目を集めている。ビジネス面の可能性を探った。AERA 2025年2月17日号より。
【ショートドラマ入門編】江村雄一さんが選んだショートドラマはこちら
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沖縄・久米島でリゾートを満喫する若いカップル。と思いきや、冒頭から10秒ほどで険悪なムードに。とげのある言葉が飛び交い、ハラハラさせられる展開の合間に、久米島の雄大な自然や観光スポットが次々映し出される。
昨年1月にJALのTikTok公式アカウントで前・後編が公開された、それぞれ2分前後のこの動画。投稿後1カ月の再生回数が2本で1千万回を突破し、これまでに3千件を超えるコメントが寄せられている。「旅先で温度感違うの分かる」「続きが楽しみ」「旅先での喧嘩が一番地獄」などドラマに触発された感想や共感の投稿が目立つ。
この熱気、いったい何なのか。
ここ数年、若い世代を中心に注目を集めているのが、1話1~3分程度のストーリーをスマートフォンの縦型画面で楽しむショートドラマだ。
「この動画の“バズらせる”ポイントは、ストーリーの中心に『旅先での過ごし方の価値観の違い』という、誰もが『あるある』と感じたり、コメントしたくなったりするテーマを据えたことにあります。こうした仕掛けによって、『いいね』やフル視聴、1人が複数回コメントするといったエンゲージメントの最大化を狙いました」
能動的に見る広告に
冒頭のショートドラマをこう解説するのは、デジタルマーケティング支援を手掛ける「セプテーニ」(東京都新宿区)の江村雄一エグゼクティブプロデューサーだ。
JALとショートドラマ制作集団「ごっこ倶楽部(くらぶ)」、セプテーニがタッグを組んで制作したこの動画。江村さんは「ショートドラマのマーケティング活用の可能性を示すモデルケースの一つ」とアピールする。
「物語形式の縦型ショートドラマは、ノウハウ次第で“狙ってバズらせる”ことができるため、新しいアプローチでブランドメッセージを届けたい企業の注目も高まっています。JALも沖縄離島路線の認知度向上にショートドラマを活用し、実際、久米島便の航空券の予約数を大きく伸ばしたと聞いています」