ショートドラマを知らない人に分かりやすく、どういうものかを知ってもらうのに適した作品」というテーマに沿って、AERA編集部が江村雄一さんに選んでもらいました。シリーズものについては第1話のリンクを掲載しています

 ショートドラマは、ユーザーが「見たいと思って見る」作品に仕上げることで「能動的に見てもらえる広告」となり、ターゲットに合わせて共感要素を適切に組み込むことによってローコストで多くの視聴者にメッセージを届けることができる。また、TikTokは「おすすめ」フィードでの視聴が大半のため、アカウントのフォロワー数がそれほど多くなくても、1本の動画で成功を収めれば多くの視聴数を獲得することができるという。江村さんはこう強調する。

「ショートドラマは視聴者が広告を介さずに自発的にアクセスする『オーガニック』な視聴で大量の視聴数を獲得できるうえ、長尺でブランドメッセージを訴求できるなどマーケティング成果に対するコストパフォーマンスに大変すぐれています」

縦型で視覚効果アップ

 ショートドラマ普及の転機は、2017年にTikTokが日本でサービスを開始し、スマホの縦型画面で動画を見る習慣が定着したことによる。縦型画面だと映像の視覚効果が飛躍的にアップするからだ。

 ショートドラマのコンテンツとしての魅力について江村さんは「スピード感」と「情報密度の濃さ」を挙げる。倍速視聴やスキップ視聴に慣れた「タイパ」を重視する若いユーザー層を中心に、長時間の動画やテンポのゆったりした動画は「時間がもったいない」「損をしたくない」という理由から視聴を躊躇(ちゅうちょ)されるケースもある。一方で、映画やドラマなど感情移入できるストーリーを消費したいという欲求やニーズは時代や世代を問わず存在する。

「情報の氾濫とタイパ重視の中で、本能的に求めている“物語”に触れづらくなった人たちの欲求の向かう先として、ショートドラマは最適なコンテンツだと考えています」(江村さん)

(編集部・渡辺豪)

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AERA 2025年2月17日号より抜粋

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