「~パン」はアイドルの“お披露目会”的な番組

「~パン」がシリーズ化した背景について、芸能ジャーナリストの平田昇二氏は次のように語る。

「『~パン』は、デビュー間もないグループアイドルのお披露目会や公演よろしく、新人女性アナに経験を積ませると同時に視聴者にその魅力を発掘してもらったり、成長過程を楽しんでもらったりする場として深夜枠に編成されたものでした。『チノパン』呼びが好評を博し、他局であるTBSのアナウンサーだった枡田絵理奈さんも“マスパン”と呼ばれるなど、当時の人気アナの呼称として『パン』呼びが波及していきます。元々、女性アナブーム自体はすでに80年代後半から存在しましたが、2000年代に入ると当時の芸能人やグループアイドルなどと同様に女性アナに関しても、それまでの知性と美しさを兼ね備えた高嶺の花的な存在よりも、視聴者が親近感や好感を抱くようなタイプの需要がより高まっていた印象です」

 前出のフィフィらの発信を受け、ネット上では「~パンって本当なんだったんだろう」と疑問の声が相次いだほか、「ジャニーズがNGワードになったように、~パンも呼びにくくなるね」「騒動の影響で、アヤパンやカトパンって愛称はなくなる?」という意見も見られる。

 なお、10年にフジテレビを退社し、現在フリーアナウンサーの高島彩は、先月25日放送のテレビ朝日系「サタデーステーション」でフジの騒動に言及。「膿を出し切るのは当然ですけれども、今の形の上ではもう、信頼を築くことっていうのは難しいのではないか」と、同番組のメインキャスターとして客観的にコメントしていた。

活動休止中のカトパン、復帰遠のく?

 一方、16年にフジテレビを退社した加藤綾子は、22年から表立った活動を一時ストップ。23年12月に夫のディスカウントスーパーを展開する社長との間に第1子女児が誕生し、現在は育児中と思われる。ただ、唯一の発信ツールであるインスタグラムは昨年4月から更新が途絶えており、近況はほとんどうかがい知ることができない。前出のディレクターが話す。

「加藤さんの夫が経営する、スーパーを中核とするグループは『31年度までにグループ会社100社、売上高2兆円』という大きな目標を掲げ、昨年も企業買収を繰り返すなど大勝負に出ています。そんな大事な時期にあるため、互いに意図せぬイメージが付かないよう、加藤さんは目立たないようにしているのではないでしょうか。加えて、古巣の騒動で彼女に火の粉が降りかかる可能性も否めないため、今後の風向き次第では復帰時期がますます遠のくことも考えられます」

 フジテレビ退社後も「~パン」の愛称で呼ばれ続ける高島や加藤。前述のとおり「“女性アナの商品化”の象徴」と辛らつな意見もあるが、今後も彼女たちは「~パン」の愛称で親しまれ続けるのだろうか。

(小林保子)

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