中居正広氏(撮影・今村拓馬)

吉本の幹部にテレビ復帰を直談判

 一方、昨年から松本は表舞台への復帰に向けて動き始めていた。週刊文春に対する民事訴訟を昨年11月に取り下げ、被害女性にお詫びのコメントを出す形で終結。12月には「ダウンタウンチャンネル(仮)」という有料の動画チャンネルを始める構想も明らかにした。

 だが、吉本興業の関係者は、松本がテレビへの復帰を熱望していたと話す。

「松本さんは何度も、吉本興業の幹部にテレビ復帰を直談判していました。裁判が長引けば、テレビへの復帰がますます遅れてしまう。11月は年末年始、正月番組で最も忙しい時期であり、焦りもあったと聞いている。訴訟を取り下げれば、2025年春の番組改編でなんらかの形で復帰できるという読みがあったようです」

 しかし、共演していた中居氏の女性スキャンダルで、松本の疑惑も再びクローズアップされた。また、中居氏の疑惑が報道されて以来、フジテレビの番組からスポンサーが一斉にCMを引き上げ、林芳正官房長官は政府広報の広告出稿を見合わせていることを明かした。

 この動きに、民放テレビ局関係者は血の気が引いたという。あるキー局幹部が言う。

「人気がある松本さんの復帰は、テレビ局にとって大きなチャンスだった。しかし、中居氏の女性スキャンダルでフジテレビからスポンサーが次々に離れ、コンプライアンスに企業がどれだけ敏感になっているかを思い知った。松本さん側からは、これまでの人脈を通して、復帰する番組はないだろうかという打診がうちにも来ているが、とても無理だ」

 ある吉本興業の中堅芸人は、こんな話をする。

「松本さんがテレビから消えて1年ちょっと。今の若い子たちは、『松本さん? おったなぁ』という程度ですっかり存在が薄くなってきている。そんな声は松本さんにも入っていて、復帰しないと忘れられてしまう、他の若手芸人に活躍場所を奪われる、と焦っているとも聞きます」

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吉本興業で起きた新たな問題