「時」は「愛」なり
3組目は「NPO法人 アジア・チャイルドケア・リーグ」代表の渡辺和代さん。ベトナムの小児がんの子どもたちのために、20年にわたって現地に赴き、医療と社会福祉の両面から支援を続けてきた方です。渡辺さんは医療者ではなく、社会福祉士の資格を取得し、NPO法人を設立して活動を続けていらっしゃいます。20年前には、急性リンパ性白血病の5年生存率が1割程度だったところから、20年かけて7割にまで高めたという実績に一同驚愕。しかもその資金は寄付や自身が語学学校で教えながらまかなっている渡辺さん。子どもたちには「日本のお母さん」と呼ばれ慕われ、亡くなっていった子どもたちとその家族にも寄り添い「あなたたちの死は無駄にしませんから」とお墓の前で誓う。いつか現地の方たちに全てを手渡せる日を目指して、尊い活動を続けていらっしゃるその姿に心が打ち震えました。
表彰式には毎年全国のシチズンの部署や関連会社から社員の方たちが大勢出席するのだそうで、時計のネジの型抜きをしている人、組み立てている人、ビルの上や公園などに設置される「設備時計」と呼ばれる時計をつくっている人、海外で活動する人など様々な社員さんたちにお会いしました。そしてその方たちが目を輝かせ、式のあとのパーティーで受賞者の方たちの前に列をなして言葉をかけていたのが、また感動的でした。見えない「時」を刻む時計をつくっているみなさんが、「時」を重ね尊い活動をしているみなさんに刺激を受け、そこから新たに自分たちのものづくりに闘志を燃やす姿が見えました。私の腕に巻かれている時計の「CITIZEN」の文字の後ろに、たくさんの想いと温かな心を感じ、これから私の進む道を照らしてくれる新たな視点を得た気持ちになった、そんなシチズン・オブ・ザ・イヤーの表彰式でした。「時」は「愛」なり。
みなさまもぜひ、シチズンのホームページをご覧いただけたら嬉しいです。そして、みなさまの「新たな時」の一歩が踏み出せますように〜。
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