2024年に上がったベスト20の中には成長止まらず引き続き伸びそうな銘柄も。25年に狙いたいベスト30は国内で稼ぐ手堅い銘柄リスト。高配当株もチラホラ。AERA2025年2月10日号より。
【ランキング】2025年に注目したいベスト30の銘柄はこれだ!
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新NISA2年目が始まり、成長投資枠向けに日本株を物色する人もいる。24年に何が上がったか・下がったかを振り返りつつ25年の作戦を練りたい。
まず値上がりベスト20の表を見てほしい。プライム市場の時価総額1千億円以上(その他詳細条件は表の脚注参照)を抽出対象としたが、24年のスター株はフジクラだった。株価は1年間で1084.5円から6548円まで6倍に(23年12月29日終値と24年12月30日終値/以下同)。なおフジクラを長期(月足)で見ると20年3月の安値が245円。約5年で26倍! SBI証券投資情報部の栗本奈緒実さんに聞いた。
「24年はフジクラをはじめ、古河電気工業など光ファイバー関連の上昇が目立ちました。生成AIの隆盛、通信容量の増大に伴いデータセンター(ネット用のサーバーや通信などの装置を運用するための建物)への設備投資額が上がっているためです。データセンターを新設・拡張する際にフジクラや古河電気工業の商品が大活躍します」
マイクロソフト需要
国内のIT投資額も伸びているが、生成AIの主役・米国IT企業の設備投資額がすごい。
「たとえば24年7−9月期の3カ月だけで、アマゾンは3.5兆円(1ドル=158円で日本円換算/以下同)、マイクロソフトは2.4兆円、アルファベット(グーグル)は2.1兆円、メタ(フェイスブック)は1.3兆円。さらにマイクロソフトが25年6月までにAI向けデータセンターの建設に12.6兆円を投じる計画が報じられました」
フジクラは個別企業の受注額を明かしていないが、北米からの利益が突出して高い。フジクラの決算短信によると、情報通信事業部門の全体収益が1857億円。そのうち1470億円が北米。欧州が155億円。日本が71億円、日本以外のアジアが92億円だ(25年3月期・第2四半期/24年4〜9月のセグメント別収益)。北米からの収益1470億円の中にマイクロソフトからの受注も……と材料視され、株価上昇が止まらないのである。データセンター関連の快進撃は25年以降も続きそうだ。