フジテレビ会見についての思いを語った宮司愛海アナウンサー(写真:アフロ)
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 タレントの中居正広(52)の女性トラブルに端を発し、フジテレビを巻き込んだ大騒動は一向に収まる気配をみせない。

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 今月20日の時点で、同局へのCM出稿を見合わせたスポンサー企業は75社にのぼり、公益社団法人「ACジャパン」への差し替えは350本以上になる。この状態が長く続けば、フジテレビの経営に大きな影響を及ぼす可能性もある。

 こうした強い逆風の背景にあるのが、今月17日に行われた同局の港浩一社長の記者会見だろう。

 会見は定例会見を前倒しする形で行われ、出席できたのは記者クラブ加盟社のみ。加えて、港社長は「第三者の弁護士を中心とする調査委員会」を立ち上げると説明したが、調査の独立性を担保する、日弁連のガイドラインに基づいた「第三者委員会」の設置は明言しなかったことにも批判が高まっていた。

 そんな中、フジテレビの親会社であるフジ・メディア・ホールディングス(HD)が1月23日に臨時取締役会を開催することを発表。朝日新聞(2025年1月22日付け)によると、その臨時取締役会で日弁連のガイドラインに基づく第三者委員会の設置に関する決議をするという。

 フジテレビ以外の民放キー局社員はこう語る。

「閉ざされた会見のやり方から港社長の説明に至るまで完全な悪手でした。このままCM出稿が止まり続けたら数百億円規模の損害が出る可能性もあり、フジテレビの経営破綻も現実味を帯びてきます。親会社のHDが危機感を募らせて、急きょ、臨時取締役会の開催を発表したのも無理はありません」

 港社長の会見については“身内”からも異例ともいえる厳しい声が噴出している。

 会見当日の夕方に放送された同局の「Live Newsイット!」ではキャスターの宮司愛海アナウンサーが「この一連の問題の大本、根本に何があったのか、第三者の目を入れて調べてもらう。そして会社が生まれ変わる一歩にすべきだと私は感じています」と発言。さらに、「意図しない目を向けられて、傷ついている仲間が多くいます。とてもつらくても、自分たちで説明できないもどかしい状況に置かれています。社員に対する説明も真摯に行って、真摯に公表してほしいと思っています」と訴えた。

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「アナウンサーが泣くのは違う」