「コンビニ百里の道をゆく」は、ローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。
【写真】昨年11月に101歳で亡くなられた三笠宮妃百合子さま
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「人生100年時代」という言葉をよく聞くようになりましたね。たしかに80歳で亡くなられても「まだお若いのに」と思わず言ってしまう、そんな時代になりつつあるかもしれません。私も50代半ばになり、自分の寿命について考えることも増えてきました。
ローソンは今年、50周年です。同時に100周年に向けてのスタートでもある。そのとき私は105歳。まだ元気でいるかどうか、微妙ではあります(笑)。ただ社会全体で、定年退職の年齢が先に延び、リスキリングという言葉も出てくるなど「いつまでも健康で元気に働き、長寿をエンジョイしよう」という空気になっている。私が「105歳か」と未来の自分を空想するのも、決して不自然なことではなくなってきている気がします。
周囲を見渡せば、実際に90歳を超えて100歳近くまでお元気な方もたくさん。昨年11月に101歳で亡くなられた三笠宮妃百合子さまもそうです。100歳を「本当にめざせるんだ」という感覚は、多くの人が持つようになってきています。
経済界の諸先輩方にも、長生きされて、かくしゃくとしておられる方は多いです。皆さん、年をとっても変わらず知的好奇心が旺盛で、「一生勉強」という意識が強い。結果的にインテリジェンスも高くなり、より「世の中の役に立ちたい」「社会に貢献したい」という思いも強くなる。私も、そんないい循環で過ごす老後をめざせたらいいなと思うこともあります。
自分の寿命は、天命に任せるしかない。ただ、「どう天寿を全うするか」ということを意識し、努力しながら、「自分で作っていく老後」を生きていくことも、大事なことではないかと思います。
そしてローソンも、そんな皆さんの思いのお役に立てるような商品・サービスづくり、街づくりに、チャレンジしていきたいと考えています。
※AERA 2025年1月27日号