11月12日、訓練で、ヒグマを駆除した状況を説明する猟友会のハンター
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「AERA dot.」に最近掲載された記事のなかで、特に読まれたものを「見逃し配信」としてお届けします(この記事は12月14日に「AERA dot.」に掲載されたものの再配信です。年齢や肩書などは当時のもの)。

【写真で見る】熟練のハンターはどうヒグマに立ち向かうか

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 クマによる人身被害が相次ぐなか、駆除を担ってきた猟友会が揺れている。先月、北海道猟友会は、自治体などと連携が不十分な場合、出動を拒否するよう全支部に通知する方針を決めた。最前線でヒグマに立ち向かうハンターは、どう感じているのか。
 

出張中にヒグマ防除隊「出動」要請

 自治体からのヒグマの駆除要請はいつも突然だ。

「たくさんのお客様の前で電話がかかってきて、『すみません、出動になっちゃいました。ごめんなさい』『えー』っていう感じで駆除に出ることが何度もありました」

 札幌市で90年の歴史を持つ日本茶専門店「玉翠園(ぎょくすいえん)」。笑顔で接客する代表取締役の玉木康雄さん(62)にはもう一つの顔がある。北海道猟友会・札幌支部の「ヒグマ防除隊」の隊長だ。

 2022年3月下旬に出動要請があったときは、東京出張中だった。会議が終わり、羽田空港で札幌行きの飛行機に乗ろうとしていたとき、玉木さんはスマホを見てぎょっとした。20件ちかい着信履歴があった。猟友会のメンバーからだった。

 折り返すと、「クマが出たから、明日はよろしくね」。集合場所と時間が告げられ、電話は切れた。

 緊急性の高い事案だった。遊歩道もある市民の憩いの場、三角山(標高311メートル)で、男性2人がヒグマに襲われて負傷したという。

「クタクタの体で自宅に帰って、ライフル銃を用意したのを覚えています」

 昨年度、北海道では9人がヒグマに襲われ、うち2人が死亡している。札幌市のヒグマの出没件数は227件で、過去最多だった。ヒグマ防除隊は12回、のべ65人のハンターが出動した。

ヒグマを確実に止めるには

 クマ駆除にハンターの協力は不可欠だ。

 だが、11月25日、北海道猟友会は、自治体などと連携が不十分な場合、出動を拒否するよう全支部に通知する方針を決めた。背景には、北海道猟友会・砂川支部長であるハンター男性の、控訴審での逆転敗訴がある。砂川市の要請に応じて出動した男性は、住宅の方向に発砲したとして猟銃所持の許可を取り消された。男性は処分の取り消しを求めたが、2審の札幌高裁が男性の訴えを退けたのだ。

 玉木さんは「詳細はわからない」としながらも、「関係者の間で、さまざまなボタンの掛け違いがあったのでは」と推察する。

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証拠が揃わないとハンターに手錠